独自解釈による“藤森式”竪穴式住居

与助尾根遺跡の隣接地にある「古過庵(ふるすぎあん)」も見逃せません。これは茅野市出身の建築史家・建築家である藤森照信氏が、設計・建築の総監督を務めて完成した“藤森式”竪穴式住居です。
この住居は2024年9月から11月に行われた全9回のワークショップによって作られたもの。ワークショップには国内外からの参加者延べ218名が参加し、大地と暮らしをつなぐプロ集団とともに作業を行い、完成に至りました。

茅野市米沢の棚畑遺跡で発掘調査された31号住居址をモデルに作られている古過庵。竪穴式住居の復元に一般的に採用される茅葺ではなく、藤森氏独自の解釈によって樹皮・土葺を採用。日本の白樺葺の最後の地が茅野市であることにちなんで、白樺葺にもこだわっています。
この古過庵では、縄文にまつわるさまざまなワークショップやイベントが行われているので、興味のある人はぜひ参加されてみては。

与助尾根遺跡や古過庵などと併せて、縄文の世界にどっぷり浸ることができる茅野市尖石縄文考古館。知的好奇心が満たされる大人の時間が楽しめます。
茅野市尖石縄文考古館
住所:長野県茅野市豊平4734-132
営業時間:9:00-17:00(最終入館16:30)
定休日:月(休日の場合を除く)、祝日の翌日(この日が休日、土・日の場合を除く) ※臨時開館をする場合もあり。年末年始(12月29日から1月3日)
電話番号:0266-76-2270
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2025.10.06(月)
文・写真=石川博也