「小学生でフォアグラを食べてた」お坊ちゃまキャラとして“キャラ作り”にも熱心に取り組み…

――お坊ちゃまキャラはどういうふうに作っていったんですか?

細山 母親とかマネージャーと、「お坊ちゃんぽい子ってこういう感じだよね」って話してそれを実践するとか。たとえば、これは本当に好物だったんですけど、フォアグラをよく食べるとか(笑)。

――小学生でフォアグラを食べてたんですか。

細山 食べてましたね(笑)。なので、僕もお坊ちゃましか知らなそうな食べ物の名前とか覚えて、番組で喋るようにしていました。

――仕事熱心ですね。

細山 そうですね。仕事に限らず、なんでも真面目に取り組むタイプではあったので。

 中でも、『世界一受けたい授業』はすごく覚えてますね。毎週違う先生がいらっしゃって、たとえば松井秀喜さんとかゴルバチョフさんとか、相当な面子がいらっしゃるし、教育的な番組でもあったので、自分の知らないいろんな知識を得られて、そういう意味でもすごく楽しかったですね。

「あいつばっかり取り上げられてズルい」同級生からイジメられるように…

――学校と仕事の両立はどうやって?

細山 土日になるべく仕事を入れるようにしていましたが、小4から小6の一番仕事が多かった時期はどうしても平日に収録が入ってしまうことがありました。そういう時は早退して、そこからタクシーに乗って現場に向かう、みたいな感じでやってました。

 台本が収録の前日までに上がってきていれば家で予習しておきましたが、ギリギリのときは、移動中のタクシーの中で読んでいましたね。

――クラスの子も、“細山くん”を応援してくれていた?

細山 CMに出たりとか、バラエティ番組に出たりすることが増えてきて、早退することも多くなって。そうすると、「何で貴嶺だけ勉強しないで他のことしてるの?」とか、「あいつばっかり取り上げられてズルい」みたいな感じになって、もともとあったいじめがひどくなっていったんですよね。

――仕事が忙しくなる前から、いじめの兆候はあった?

細山 ひっこみ思案という話をしましたけど、もともと幼稚園の頃から若干、いじめられっ子ではありました。

 幼稚園の頃で覚えているのは、どんぐりにちっちゃいビーズの目玉を付けて、自分だけのかわいいどんぐりの子どもを作ろう、みたいな工作があったんですけど、その時、同じクラスの子がビーズの目玉がいっぱい入った容器を砂場にバッと投げ捨てて、「貴嶺がやった!」と濡れ衣を着せられたことがあって。

 ただ、「違う、僕じゃない」と自分の意見が言えない子だったので、そのまま僕が先生に怒られたんですね。

2025.09.01(月)
文=小泉なつみ