「太いけど細山です!」のキャッチコピーとお坊ちゃまキャラで人気を博した元子役タレントの細山貴嶺さん(30)。『世界一受けたい授業』などで活躍する一方、幼少期からいじめに遭い、自殺未遂をするほど追い詰められた時期もあったという。
その後、慶應義塾大学卒業と同時に芸能界を引退し、ゴールドマン・サックスに入社。現在は動物医療の会社を起ち上げたばかりの細山さんに、子役タレント時代から現在に至るまでの話を聞いた。(全3回の1回目/2回目に続く)
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今は“細山くん”と気づかれることはほどんどない
――今日はよろしくお願いします。最近では、あの“細山くん”だと気づかれることはほとんどないですか。
細山貴嶺さん(以降、細山) 今はほとんどないですね。やっぱり当時とは体型も変わってますし、もちろん成長してるので。
――気づかないでほしい、みたいな気持ちもありますか。
細山 それで言うと、あんまり気づかれたくないかもしれないです。絶対嫌とかってわけではないんですけど、そもそもテレビに出ておきながら、僕自身が「自分、自分」ってアピールするタイプではないですし、芸能界も引退しているので、そういう意味でも昔のことはそんなに自分からは話さないです。
――一番テレビで活躍されていた小学生時代は街なかで声をかけられることも?
細山 なくはなかったですけど、月に1回もないぐらいでしたね。
普段はあの蝶ネクタイとサスペンダーでいるわけじゃなかったので、そこまでは気づかれてないですね。

「学校の制服のままオーディションに行ったら…」“お坊ちゃまキャラ”誕生秘話
――蝶ネクタイとサスペンダー、そしてメガネという“細山くん”スタイルはどのようにして生まれた?
細山 あれ、実は当時通っていたインターナショナルスクールの制服があんな感じだったんですよね。で、メガネは目が悪かったのでいつもかけていたという。
――普段の制服が衣装に反映されたかたちだったんですね。
細山 それまでは普段着でオーディションに行ってたんですけど、その時は鳴かず飛ばずで。ある日、着替える時間がなくて学校の制服のままオーディションに行ったら、「お坊ちゃまキャラっぽくて面白い」となって、初めて合格できたんです。それで、あのキャラが定着しました。
2025.09.01(月)
文=小泉なつみ