旅館道その3
「旅館を楽しむのと同時に、地方の魅力を味わおう」

インパクトある松本市美術館の草間彌生のインスタレーション。
草間彌生の松本時代から現在の作品までが展示されている。

 松本は、民芸、工芸などのアート、そして小沢征爾が総監督のサイトウ・キネン・オーケストラなど、芸術が盛んな地方都市として知られる。また、松本市美術館では松本出身の世界的アーティスト草間彌生の作品を常設展示している。美術館の外にはドットの花のインスタレーションが咲き誇り、草間彌生の松本高等女学校時代の作品、代表作である『かぼちゃ』、そして最近の作品までを見ることができる。

「源智の井戸」は1849年刊行「善光寺道名所図会」に信濃国一の名水と記され、現在もこんこんと湧き出ている。

 また、松本は女鳥羽川と薄川の伏流水である地下水が、井戸や湧水として市内あちこちで湧き出ている。柔らかでおいしく、ちょっとずつ味も異なるように思える湧水巡りがなかなか楽しい。

「女鳥羽の泉」は、市街地唯一の造り酒屋、善哉酒造の湧水で酒造に使われる。
白と黒の「なまこ壁の土蔵」が洒落た店舗になって今に残る中町。
毎晩ロビーでは、響きのよい生演奏が楽しめる。

「界 松本」ではドーム天井で音響効果のあるロビーでのコンサートを毎晩開催したり、湧水巡りのためのオリジナルマップを作るなど、ご当地の楽しみ方をいろいろ提案してくれる。

 次回は、「界 松本」のさらなる楽しみ方をご紹介します(6/29公開)。

星野リゾート 界 松本
所在地 長野県松本市浅間温泉1-31-1
アクセス JR松本駅からタクシーで約15分
電話番号 050-3786-0099
URL http://kai-matsumoto.jp/
 

小野アムスデン道子 (おの アムスデン みちこ)
ロンリープラネット日本語版の立ち上げより編集に携わったことから、ローカルグルメや非日常の体験などこだわりのある旅の楽しみ方を発信するトラベル・ ジャーナリストへ。エアライン機内誌、新聞、ウェブサイトなどへの寄稿や旅番組のコメンテーター、講演などを通して、次なる旅先の提案をしている。
Twitter https://twitter.com/ono_travel

Column

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2014.06.28(土)
文=小野アムスデン道子
撮影=深野未季