この記事の連載
「その瞬間の特等席へ【星のや】を巡る旅」~「星のや沖縄」前篇
「その瞬間の特等席へ【星のや】を巡る旅」~「星のや沖縄」後篇
「その瞬間の特等席へ【星のや】を巡る旅」~「星のや竹富島」前...
「その瞬間の特等席へ【星のや】を巡る旅」~「星のや竹富島」後...
「その瞬間の特等席へ。【星のや】を巡る旅」~「星のや軽井沢」...
鰻づくしの朝食にシャンパーニュを合わせて

朝食も夏らしいものをということで、用意されたのが「鰻とシャンパーニュ朝食」。信州・諏訪湖ではかつて鰻漁が盛んで、そのため今も鰻の名店が点在し、「信州に来たら鰻を食べなきゃ!」というファンも多いのです。
こちらの朝食では、信州の鰻食文化と夏に旬を迎える山の幸を組み合わせた、鰻玉・鰻冊・白焼き・蒲焼きの全4品を提供。蒲焼きと滑らかな玉子豆腐にルバーブのジュレを合わせた鰻玉、そして胡瓜酢でさっぱりと仕立てた鰻冊(ともに写真上)は、夏の朝にふさわしい爽やかな一品です。

信州の食文化を織り込んだ7種の薬味で楽しむ白焼きで鰻本来の旨みを堪能し、最後は、炭火で焼き上げた蒲焼きを。甘辛いタレが香ばしく、食欲を増進させます。
「いろいろな食べ方ができて楽しいね」と、松本さんも旬の味に舌鼓を打っていました。
締めには、信州の郷土料理の「やたら」や、夏野菜氷で冷やした出汁をかけた茶漬けを用意。鰻の旨みを余すところなく味わえる、多彩な仕立ての特別朝食です。


ドリンクは、鰻の味わいを引き立てる2種類のシャンパーニュをフルボトルで提供。木樽熟成によるウッディな香りが特徴の「Henri Giraud Blanc de Craie(アンリ・ジロー ブラン・ド・クレエ)」は、炭火で焼いた白焼きの香りと絶妙に調和。
蒲焼きには熟成感のある芳醇な味わいの「Bollinger Rosé(ボランジェ・ロゼ)」を。甘辛いタレと芳ばしい香りに寄り添い、深い味わいを生み出します。
「星のや軽井沢」では宿泊と食事を分けた料金体系を採用しているので、「日本料理 嘉助」の和朝食「山の朝食」や、インルームダイニング朝食、カジュアルな飲食店が並ぶ「ハルニレテラス」でいただくのもありです。
食後のお散歩は、軽井沢高原教会へ

木立を抜けた丘の上に建つ「軽井沢高原教会」は、1921 年「芸術自由教育講習会」を原点に誕生。北原白秋や島崎藤村など、当時の文化人が集った歴史を持ちます。誰もが自由に集い語り合う精神は今なお受け継がれ、世代を越えて親しまれています。

教会の隣に佇む「牧師館」は、もともと牧師の書斎として建てられたもの。現在では、教会で挙式した方を“おかえりなさい”と迎える再会の場所であり、また人々の絆を育む場所として開放されています(見学時間は教会に準ずる)。

夏のお楽しみは、教会の森にたくさんのランタンを灯す「軽井沢高原教会 サマーキャンドルナイト」。かつて軽井沢を訪れた宣教師たちがランタンの灯りで街を照らし、人々の幸せを願ったことに由来するイベントです。
森でゆらめく灯りを見つめながら大切な人を想い、特別な時間を過ごしてみては? ※開催:8月1日~31日の19時半~21時半(予約制の日もあるため公式サイトで要確認)。
ハルニレテラスでクレープを

森を散策したのち松本さんが立ち寄ったのは、“軽井沢の日常”をコンセプトにした森の中の小さな街「ハルニレテラス」。教会からは目と鼻の先です。お目当ては、今年4月にオープンしたカフェ「Hygge by ØC(ヒュッゲ バイ オーシー)。
「シュガーバタークレープ」をメインに、デンマークスタイルの浅煎りのコーヒーやテイクアウトで楽しめるスイーツを提供しているお店です。デンマーク語で「心地よい場所」を意味するヒュッゲという店名には、自然に囲まれた軽井沢で、温かく、心地よい時間を過ごしてほしいという想いが込められています。

看板メニューの「シュガーバタークレープ」は、あえてバターを溶かさず、フォークとナイフで切りながら食べるスタイルで。
小麦粉、卵、ミルクはすべて長野県産で、バターはニュージーランドのグラスフェッド、ザラメは昔ながらの製法でつくられた喜界島産と、選びぬかれた素材を使用。甘いものには目がない松本さんも「ザラメのじゃりじゃりがいいね」と絶賛したスペシャルな一品、ぜひお試しあれ。

今年で111周年を迎える軽井沢星野エリア。星野リゾートのはじまりの地「星のや軽井沢」は、創業時の思いを受け継ぎながら進化しています。<後篇>では、敷地内のメインダイニング「日本料理 嘉助」の夕食や、豊かな自然と共生調和するためのエコロジカルな仕組みなどをご紹介します。
松本 隆(まつもと・たかし)
1970年にロックバンド「はっぴいえんど」のドラマー兼作詞家としてデビュー。解散後は専業作詞家に。手がけた作品は2,100曲以上にもおよぶ。
星のや軽井沢

所在地 長野県軽井沢町星野
電話番号 050-3134-8091(星のや総合予約)
宿泊料金
◆1泊 170,000円~(1室あたり、税・サ込み、食事別)
客室数 77室
チェックイン 15:00/チェックアウト 12:00
アクセス JR軽井沢駅より車で約15分(無料送迎バスあり)。碓氷軽井沢ICより車で約40分。
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyakaruizawa/
◆Wi-Fiあり

2025.08.04(月)
文=伊藤由起
写真=平松市聖
写真協力=星のや
協力=星野リゾート