好きな人と好きなものを作ることができるカッコいい人間に
――そんななか、転機となった出来事は?
『オアシス』でいうと、尋也との出会いやGLASGOW15のプロデューサーとの出会い、あとカメラマンを池田直矢さんが引き受けてくれたことなどがありますが、僕の映画人生みたいな括りでいうと、松尾崇というチーフ助監督に出会えたことです。
いちばん最初に松尾さんと同じ現場に就いたのは、ドラマ「ミス・シャーロック」だったのですが、そこから現場の空気を含めた映画作りや魂について学ばせてもらいました。
――将来の希望や展望を教えてください。
またオリジナル脚本で映画を撮りたいです。映画だけじゃなく、モノを作り続けることは、本当に難しいと思うのですが、それができる人でありたいです。あと、自分の好きなことに妥協しないとか、好きな人と好きなものを作ることができるカッコいい人間になるのも目標です。
岩屋拓郎(いわや・たくろう)
1992年6月27日生まれ。愛知県・名古屋市出身。18年公開の『ラプラスの魔女』以来、助監督として、松居大悟、三宅唱、山戸結希、岸善幸などの監督作に参加して、キャリアを重ねる。そして、長年温めてきた自ら手掛けるオリジナルストーリーとなる『オアシス』が、映画企画コンペにて新人賞を受賞し、念願の製作が決定。劇場作品の監督デビューを果たす。
映画『オアシス』
幼なじみで青春時代をともに過ごし、ある事件を機に別々の人生を歩んだ富井(清水尋也)と金森(高杉真宙)。数年後、菅原組の構成員となった富井は組長に認められ、金森は荒くれ者たちが集まる犯罪組織で、菅原組も手を出せない存在になっていた。一触即発の敵対関係となった2人の前に、記憶を失った幼なじみ・紅花(伊藤万理華)が現れる。
11月15日(金)より新宿武蔵野館ほか、全国順次公開
https://oasis--movie.com/
Column
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2024.11.15(金)
文=くれい響
写真=平松市聖