短いルートにも見どころ満載。可憐な花や木漏れ日に癒される
黒斑山までの道は、深緑につつまれた樹林帯。湿り気を帯びた不快な暑さに晒される日常とはちがい、からっとした風が吹き抜ける夏の山はとても心地いい。山の中に漂うマイナスイオンと木々が放つフィトンチッドの香りがもたらす癒しの効果を感じながら、静かなトレイルを歩いていきます。
可憐な白い花を咲かせる和製エーデルワイス、鮮やかなオレンジが映えるクルマユリなど、トレイルの脇に咲く色とりどりの花と出合えるのも夏山の魅力です。スマホで写真に収めておいて、あとで何の花だったのか答え合わせをするのも楽しそう。
黒斑山は火山地帯に多く生息するカラマツの希少個体群生地としても知られています。山の中にはカラマツ以外にもマツ科のシラビソも多く見かけるので、見つけたときは葉を指でこすってみてください。レモングラスのような爽やかな香りが心を落ち着かせてくれます。
2024.09.02(月)
文=平野美紀子