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ビタミンCについて、多くの人が勘違いしていること

 一方、シミ対策やケアでよく名前のあがる「ビタミンC」については、「薬や錠剤で摂る必要はありません」と先生。

「ビタミンCはオレンジなどの柑橘類に豊富に入っているのに、わざわざ錠剤で飲むのは先ほど言った添加物の考えからしても決して良いとは言えません。カボチャやにんじんなどを食べれば、肌で抗酸化の働きが始まります。なんでも薬に頼るのでなく、食事で摂れる栄養は食事できちんと摂った上で、どうしても摂れないものだけを薬で十分量摂取すべきです」

 自然の食べ物から摂取することで一つの成分が体に過剰に蓄積されるのを防げる……ということは、「薬害に繋がる恐れを減らせる(防げる)」上に、様々な成分が相乗効果をもたらしてより効果的にシミ対策に働いてくれるというのです。

「ビタミンCは、ビタミンACEと言って、A、Eと一緒に摂ることで、より効果を発揮します。先ほどカボチャやにんじんの名前をあげましたが、これらはβカロチン(ビタミンA)が豊富な食品として知られていますし、ナッツなどを食べれば、ビタミンEが摂れます。これらをサプリなどで摂ろうとしたら、数粒以上必要になるので、添加物や体に不要な成分をそれだけ多く摂ることになります。しかも、肝斑に関しては、トラネキサム酸以外で有効なエビデンスは今のところ、ありません。効果がわからないのにサプリや薬を頼るのは、無駄というだけでなく、体に害を及ぼす恐れもあるのです」

2024.07.21(日)
文=にらさわあきこ
写真提供=BIOTOPE CLINIC