個性的で団結心の強い3人の養蜂家
ハワイにはこの10年でビー・キーパーと言う養蜂家が増えています。ハワイ島には世界中からオーダーが来るほどの女王蜂のブリーダーもいて、優秀な女王蜂がハワイ島で手に入ることは、専門家たちには知られているようです。
温暖で1年中美しい花が咲く、養蜂をするのに良い条件が揃っているハワイだから、ピュアで極上の蜂蜜が仕上がるのでしょう。最近では一般の人が自分の敷地に巣箱を持ち、家庭で食べる蜂蜜を採取する事例も見られるようになりました。
KCCファーマーズ・マーケットには蜂蜜を販売するブースがいくつもあり、それぞれ特徴のある蜂蜜を売っていますが、養蜂家の方々も個性豊かで特別な才能を持っている人が多いようです。そんな彼らのライフストーリーを、蜂蜜と一緒にご紹介したいと思います。
ここでご紹介する人たちは、数年前までハワイアン・ハニー・ビー・コープいう組合で一緒に蜂蜜を造っていた仲間です。現在はそれぞれのブランドを持ちKCCファーマーズ・マーケットで販売しています。そして「兄弟」と呼び合うほどに信頼し合う仲間です。
NASAのロケットエンジニアから養蜂家に転身 ナロ・メリ
毎月第2、第4、第5週の土曜日にKCCファーマーズ・マーケットに出店している「ナロ・メリ」の蜂蜜は、養蜂家ハワード・マックギニスさんの巣箱で採取されています。ハワードさんは100箱の巣箱をオアフ島のカイルア、ワイマナロ、ワイアナエ、ワヒアワ、マキキ、カハラ、カフク、ワイアルアと各所に置いており、自社ブランドのナロ・メリの蜂蜜として販売するだけでなく、ラベルを変えて他の企業にも提供しています。
蜂蜜は、マカダミアナッツ、レフア、クリスマスベリー、ココナッツハニー、コーヒーブラッサム、オレンジブラッサム、などがあり、人気はやはりレフアとクリスマスベリーです。
石鹸も販売しています。シナモン・オレンジ、レモングラス・ジンジャー、ミント・ユクレプタス、パルマローザ・ラベンダーは、どれもナチュラルの素材を使用しています。また、プロポリスやワックスなども製造、販売をしています。
2002年にハワイに移住する前はコンピューターエンジニアだったハワードさんは、80年代にはNASAでロケットの打ち上げに従事していた超エリートです。しかし2001年にニューヨークで起きた9・11事件を契機にハワイへ移住。その後、新聞で見つけた養蜂家募集の広告を見たのをきっかけにビー・キーパーを目指し、2004年から本格的に養蜂を始めたのだそうです。
ハワードさんは蜂の標本や巣を持って学校に行き、子供たちに蜂の役割の重要性を教えることもあります。
ハワードさんから蜂の話を聞き始めると、こちらが夢中になるほど引き込まれていきます。英語ですが、もし時間があるときには、KCCファーマーズ・マーケットのブースで声をかけてみてはいかがでしょうか。
ナロ・メリ(NALO MELI)
URL : http://www.nalo-meli.com
E-mail : howard@nalo-meli.com
電話:+1-808-258-7296
販売場所
KCCファーマーズ・マーケット(第2、4、5の土曜7:30-11:00、第2,4,5の火曜日16:00-19:00)
カイルア・ファーマーズ・マーケット(毎週木曜日17:00-19:30)
ミリラニ・ファーマーズ・マーケット(毎週日曜日8:00-11:00)
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2014.03.31(月)
文・撮影=本間律江