ハワイアンの人たちが主食としていたタロイモ。古代ハワイアンにとっては「人間はタロから生まれた」と考えていたほど、大変神聖な食べ物でした。タロイモがハワイで食べられるようになったのは西暦450年頃と言われていますから、日本で言えば古墳時代に当たります。

農場で採れたばかりのタロイモ。

 タロイモは葉も茎も食べられて無駄がなく、栄養価の高い、非アレルギー性植物です。すりつぶしてペースト状にした、昔からあるハワイアンフード“ポイ”などは、現代でもスーパーで買い求めることが出来ます。消化が良く栄養価が高いので赤ちゃんにはじめて与える離乳食として使ったり、なかにはミルクにアレルギーを持つ赤ちゃんに与える母親もいるのだそうです。患者にすすめる医者もハワイには多いと聞きます。また、最近はこうした伝統的なポイの他にも、新しいレシピが生まれています。

ハナレイ・タロ&ジュース・カンパニーのオーナー、リンジー・ハラグチさん。

 今回は、タロの美味しさを伝えるためにタロイモの加工食品を販売している「ハナレイ・タロ&ジュース・カンパニー」をご紹介します。オーナーは日系のハラグチ・ファミリー5代目、リンジーさんです。KCCファーマーズ・マーケットで販売している商品は、天然素材を使って前日に作ったものばかりです。

ポイ・バナナ・マフィン

見るからに素朴な美味しさが伝わってくるポイ・バナナ・マフィン。

 普通のマフィンと違い、ポイが入っている分モッチリの食感が楽しめます。原材料:バナナ、ポイ、砂糖、小麦粉。(1.5ドル)

タロ・モチ・ケーキ

タロモチとはタロの餅ということだけど……餅米を搗いたものではありません。

 日本人好みの適度な甘さで食べやすいです。原材料:タロイモ、ココナッツミルク、米粉、砂糖、卵、バター、バニラ、ベーキングパウダー、ナッツ、牛乳、ポタシアムソルビン酸。(7ドル)

クロロ

クロロは重さによって値段が違います。

 モッチリとした食感と、甘さが、地元の人に人気です。日本人の観光客は食べなれていないようですが、健康志向のママには子供のおやつにおすすめです。原材料:タロイモ、サトウキビ、ココナッツミルク、ポタシアムソルビン酸。(5ドル~)

フレッシュ・ポイ

右がポイ。左がフムス。

 蒸したタロイモに水を足してペーストにしたものです。 ポイは、ハワイアンフードのロミロミサーモンやマグロのアヒポケ、またはカルーアピッグなどにかけて食べるのが美味しいですが、砂糖をいれてデザート感覚で食べる人もいます。タロはダイエットフードとしても知られており、夏バテのときなどにも実はよく効くそうです。冷蔵で保存してください。(6ドル)

タロ・フムス
 パンに塗ったり、チップスをディップしていただきます。冷蔵で保存してください。原材料:タロイモ、ヴァージン・オリーブ・オイル、オーガニック野菜スープ、ごま油、水、レモン、ニンニク、ナチュラルシーズニング。(6ドル)

真空パックされたタロイモ。

クックド・タロ・チャンクス
 剥いたタロを蒸して真空パックしたもの。ハワイではタロを小さく切って茹で、そのまま食べることもあります。サツマイモのように見えますが、甘みがなく、煮しめに使うそうこともあるそうです。また、小麦粉や片栗粉の代わりに使用して、料理にとろみをつけることもあります。天ぷらや、シチュー、煮しめ、ハッシュでいただけます。このクックド・タロ・チャンクスをバターと醤油でいためても美味しいです。冷蔵で保存してください。(6ドル)

観光客よりも、地元の人がポイや、タロイモの蒸したものを買い求めに来る姿が目立ちます。

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2014.05.19(月)