KCCファーマーズ・マーケットには人気の蜂蜜ブースがたくさん

マノア・ハニー・カンパニーの可愛らしいクマの形の蜂蜜ボトル。いくつかのブースで同じクマのボトルを使っているので、それぞれのお店の特徴を知っておくと便利。

 お土産を選ぶとき、品質の確かさはもちろんですが、そこに作り手の想いが見えると輝きが増しますよね。KCCファーマーズ・マーケットの全部のブースの品物がそんなプロダクトですが、手に入れたモノと一緒に、作る人の歴史や想いを直接聞けてストーリーも持ち帰れる、ハワイでしか手に入らないお土産は、ファーマーズ・マーケットならではです。

 そんなハワイのお土産で人気のひとつが蜂蜜。KCCファーマーズ・マーケットでは複数の蜂蜜のブースがありますが、どのお店もいつも観光客でいっぱいです。

「ハワイの蜂蜜」と一言でくくれない、ハワイの養蜂家たちが作る蜂蜜は、実はそれぞれのオリジナルの味が個性豊かにあります。ハワイの固有種の植物から採取される蜂蜜や、ハワイの中でも気候や植物生態が違う各土地で採取される蜂蜜など、巣箱がある場所や季節などにより同じ花でも蜜は違うといわれており、自然が生み出すそれぞれの味わいは実に豊かです。

マノア・ハニー・カンパニーの創設者、マイケル・M・クリックスさんは、ハワイ養蜂家協会のプレジデントでもあった。

 たくさんのお店の中から、今回はマノア・ハニー・カンパニーをご紹介します。科学者だったマイケル・クリックスさんは、家に分蜂(巣別れ)した蜜蜂の群れが入ってきたことがきっかけで養蜂家になったそうです。それが、1980年代後半のこと。ひと時は巣箱が300箱まで増えた時もあったのですが、2007年に蜜蜂に寄生するダニがハワイに入ってきたために巣箱も半分になってしまったのだそうです。

ブースでは試食用のスプーンがたくさん。味の違いを確かめてみて。

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2014.03.24(月)
文・撮影=本間律江