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客席のあちこちからはすすり泣く声が……

 さて物語はお光の可愛らしい抵抗も虚しく、お染と久松は対面することとなり事態は一気に深刻化します。ここからがまさに「心情的に苦しい役」と鶴松さんが語る所以で、観客の舞台への集中力が高まっていきます。

 そしてお光はある決断をし、思いきった行動に出るのです。事の詳細には触れませんが、そのいじらしい決心、切ない思いが劇場をひたひたと満たし、客席のあちこちからはすすり泣く声が……。

「鶴松の真っすぐなところがお光にぴったり」(七之助さん)

 七之助さんから次のようなメッセージをいただきました。

「鶴松の真っすぐなところはお光にぴったりです。そして彼は声や身体を使っての表現など歌舞伎役者として大切なことをきちんと真面目に勉強しています。千穐楽まで素敵なお光を演じ続けてくれると期待していますので、ひとりでも多くのお客様にご覧いただきたいと願っています」

 役の個性と演じ手の持ち味がシンクロし、若く瑞々しい感性がきらきら零れ落ちる鶴松さんのお光が観られるのは26日までです。

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十八世中村勘三郎十三回忌追善「猿若祭二月大歌舞伎」

2024年2月2日(金)~26日(月) 【休演日】13日(火)、20日(火)
昼の部 新版歌祭文 野崎村、釣女、籠釣瓶花街酔醒
夜の部 猿若江戸の初櫓、義経千本桜 すし屋、連獅子
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/856

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