誰しもが虜になる藤色の餡

◆青柳正家

 向島にある「青柳正家」。昭和23年創業の和菓子屋で、一條実孝公によって「正家」の名を賜った由緒正しきお店です。名物の栗羊羹と並び、長く愛されるのが「菊最中」。あんこが重なった大胆なフォルムは、一度見たら忘れられません。

 ヘラを使ってあんこをこの形にするのは相当難しいそうで、何年もかけて習得していく、まさに職人技です。これほどボリュームがあると、甘すぎるのではと思うかもしれないけど、このこし餡がいくらでも食べられると思うくらい絶品。

 甘さも舌触りも絶妙で、手間ひまかけて仕上げる藤色の餡は、こし餡の概念が変わるほど心に残る美味しさ。皮も厚みがあって存在感が強く、あんことのバランスも素晴らスィーツ!

 菊の花を模した上品な佇まいも、大切な贈り物にぴったりです。

菓匠 青柳正家

所在地 東京都墨田区向島2-15-9
電話番号 03-3622-0028
https://www.aoyagiseike.jp/

スイーツなかの

東京都立川市生まれ。早稲田大学卒業後、吉本興業に所属。子どもの頃から好きだったお菓子を独学で勉強し、唯一無二のスイーツ芸人として活動をはじめる。10年間吉本で活動後、特注のパンケーキハットをトレードマークに幅広く活躍中。老舗からコンビニまで多ジャンルの和洋菓子を一万種類以上食べ歩き、その確かな知識と情報で「林先生の初耳学」「メレンゲの気持ち」「スクール革命」など多数のテレビ番組に出演。西武渋谷店では自ら企画した催事「奥渋ギフト」を開催、行政と取り組んだ監修商品を発売するなど、幅広いシーンで活動中。
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Column

スイーツなかのの「よろスィーツ月報」

一万種類以上ものスイーツを食べ歩いた実績を誇り、今も日々その数を更新中のスイーツ芸人のスイーツなかのさんが、実際に食べておいしかった今いちおしの旬なスイーツを自信を持ってお届け!

2024.01.07(日)
文=スイーツなかの
撮影=深野未季