胡麻の香りに包まれる逸品

◆日本橋 長門

 日本橋・さくら通りにある「日本橋 長門」。300年近い歴史を持ち、古くは徳川将軍家にも献上していた老舗です。名物の「久寿もち」や「松風」をはじめ、煌びやかな半生菓子など、お店には数多くの和菓子が並びます。

 こちらの「葵最中」で注目してほしいのが、刻印された双葉葵の紋。これは徳川家御用商人にしか使うことが許されていないもので、その見た目からもお店の歩んできた歴史が伝わってきます。

 そして、皮に胡麻が練り込まれているのも珍しく、他ではなかなか出会えないつくり。ふわっと包まれる胡麻の香りが心地良く、粒あんの甘さに寄り添う上品な味わいがナイスィーツ!

 薄型でありながら、あんこがぎゅっと詰まっているのも嬉しいところ。老舗が手がける知る人ぞ知る最中です。

江戸風御菓子司 日本橋 長門

所在地 東京都中央区日本橋3-1-3
電話番号 03-3271-8662
http://nagato.ne.jp/

2024.01.07(日)
文=スイーツなかの
撮影=深野未季