いちばん深く考えさせられた最新出演作

――栗原さんはティム・バートン監督作など、映画好きでも知られていますが、以前から俳優への憧れはあったのでしょうか? 

 映画は物心ついたときから観ています。そのためか、もともとモデルをやる前から、伊勢谷友介さんや阿部寛さんなど、モデルを経て映画俳優になっていった役者さんに憧れていたんです。たとえば、伊勢谷さんなら『笑う大天使』で、上野樹里さんにブッ飛ばされるお芝居がいちばん好きです。阿部さんはドラマ「結婚できない男」の演技が好きです。あの作品は今でも僕のバイブルになっていて、あそこで阿部さんが演じられた主人公が僕の理想の中年の姿なんです。でも、すぐに俳優になれるとも思っていませんし、あえてペースを作る必要もないと思っています。いろいろオーディションを受けて、落ちながら、少しずつでも夢を叶えていければと思います。

――最新出演映画『僕は友達が少ない』では、生徒会長の西園寺役を熱演されていますが、これまでの作品と違い、アクションシーンなど、ひと味違う栗原さんの姿が見られます。そのあたり、いろいろと考えられたのでは?

 これまで出していただいた作品のなかで、いちばん深く考えさせられた役柄とストーリーでした。西園寺というキャラクターの心の中、たとえば彼はなぜそこまでするのか? 彼の過去に何があったのか、を考えさせられ、台本に自分が思ったことを書き込みました。撮影が終わった後も、控室に引きこもって、自分を追い詰めていきました。また、アクションに関して、僕は体を動かすことは得意でないですが、これまで私生活では当たり前ですし、お芝居でも人を殴ったことがないので、基本的な殴り方すら分からない。なので、脚本読みが終わった後に、アクション監督の方と細かい殺陣などをお稽古させてもらいました。

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2014.01.10(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Hirofumi Kamaya
hair&make-up:Masahi Yoshida
styling:Kyu Hokari