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谷中しょうが、ぬた、赤星
三州屋は、銀座にここ本店と支店の2店舗で営業中。ご主人自らが毎日足を運ぶ、豊洲市場仕入れの新鮮な魚介類が最大の魅力。加えて、季節ごとの旬の食材を使った料理も訪れるたびの楽しみだ。さらに、リーズナブルながら間違いなくうまい定食(ランチだけでなく、夜まで食べられる)を求める客も多く、店内は時間を問わず、幅広いニーズの客たちでにぎわっている。
が、僕はやっぱり、ランチのピークタイムを外したころの、ふらりのんびり昼酒利用が大好き。今日もそんな頃合いを見てやってきた。なにはともあれ、まずはビールをお願いします。
銘柄が主要なメーカーのものから選べるのも嬉しく、今日は気分で、大衆酒場の顔、「赤星」こと「サッポロラガービール」を。
お通しは魚のあら煮。ちょうど身と旨味がたっぷりの、ぶりの目玉付近に当たって、これだけでだいぶ酒がすすんじゃうな~。
さて、気になるものがいくらでもある料理のなかから、今日はなにをつまみに飲もうか。
よし決めた。まずは夏らしく、メニュー表の「旬のもの」コーナーから「谷中しょうが」。それから「酢もの」から「生まぐろぬた」で。
ピリリとした辛味としゃきしゃきの食感が心身に心地い谷中しょうが。老舗酒場でこういうものをつまみに飲んでいる時間こそ、“人生の余裕”という感じがして、とてもいい。
まぐろのぬたは、よくある酢みそ系ではなく、赤みそとみりんをベースにキリッと仕上げた味つけで、上質なまぐろのうまみを最大限に引き立ててくれる。シンプルに言って、うますぎる……。
2023.08.25(金)
文・撮影=パリッコ