「夢をあきらめないで」

 しかも彼が「エブエブ」に出演できるよう交渉にあたったのが、映画「グーニーズ」の仲間、チャンクを演じたジェフ・コーエンというのは有名な話。ジェフだけでなく、ほかのグーニーズメンバーとも温かな交流が続き、マウス役のコリー・フェルドマンのインスタでも、彼がキーの受賞を見守り涙声で喜んでいるシーンを観ることができる。

 ああ、すばらしきズッ友。グーニーズ・ネバー・セイ・ダイ!!

 「グーニーズ」は続編企画が何度も立ち上がっていたそうだが、実現には至っていない。スロースとチャンクがお菓子屋さんを経営し、マウスとステフが結婚している未来が見たいので、キー・ホイ・クァンのブレイクをきっかけに、続編の話が進んでくれやしないかと期待している。

 いろいろと振り返ってしまったが、そろそろ前を向こう。

「夢は信じ続けなきゃ。僕はあきらめそうだった。でも、あきらめちゃだめだ」

 アカデミー賞でのスピーチの最後、キー・ホイ・クァンの言葉だ。

 3月が去り4月がきて桜が散り、新緑がまばゆい5月になったが、あの力強いカメラ目線と明るい声は、私の心にまだ咲いている。

 彼はこれからも、夢に向かってたくさんの宇宙をぴょんぴょんと飛び回る予定だ。

 5月24日からはディズニープラスで「アメリカン・ボーン・チャイニーズ 僕らの西遊記」が配信、秋に配信予定のMCUの実写ドラマ「ロキ」シーズン2にも新キャストとして参加する。「グーニーズ」も「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」もamazonプライムビデオで配信中!

 よし、せっかく再会できたのだ。過去も今も未来も、現実世界もファンタジーも仮想空間もひっくるめて、もうしばらく一緒に冒険を楽しもう!

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田中 稲(たなか いね)

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。著書に『昭和歌謡出る単1008語』(誠文堂新光社)など。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/

Column

田中稲の勝手に再ブーム

80~90年代というエンタメの黄金時代、ピカピカに輝いていた、あの人、あのドラマ、あのマンガ。これらを青春の思い出で終わらせていませんか? いえいえ、実はまだそのブームは「夢の途中」! 時の流れを味方につけ、新しい魅力を備えた熟成エンタを勝手にロックオンし、紹介します。

2023.05.24(水)
文=田中 稲