ディズニー+公式サイトより。
ディズニー+公式サイトより。

 全世界での会員数が1億5,000万人を超え、今や動画配信サブスク界で1位の人気を誇る「Disney+」。

 子どもたちが喜ぶディズニーの名作アニメから、『マーベル』や『スター・ウォーズ』といった大人気コンテンツのオリジナルドラマシリーズまで揃っており、その作品数は圧倒的です。また、大人向けでダークな描写も多い「スター」というジャンルも用意され、その作品ラインナップは日々増え続けています。

 そこで今回は、「Disney+」で観られる大人向け映画のなかから、主人公が女性で、今年配信開始された新作を5作品厳選。“「Disney+」って子ども向けでしょ?”と誤解している人にこそ観ていただきたい傑作ぞろいとなっていますよ。

狩猟解禁! 300年前のアメリカを舞台に宇宙の狩人と緊迫の一騎打ち

◆『プレデター:ザ・プレイ』(2022年)

 まず紹介するのは、1987年に第1作が公開されてから、実に35年以上世界中の映画ファンに愛されているSFアクションシリーズ、その第7作目となる『プレデター:ザ・プレイ』です。

 『プレデター』シリーズといえば、宇宙からより強い獲物を求めて“狩り”にやってくる戦闘宇宙民族、通称“プレデター”と、その狩りに巻き込まれた人々との白熱の激闘を描いてきました。今作で主演を務めたのは、実力派の若手女優アンバー・ミッドサンダー。監督は過激すぎる描写が話題のスーパーヒーロードラマ『ザ・ボーイズ』で知られるダン・トラクテンバーグです。

 本作の舞台は今から300年前のアメリカ大陸で、主人公はそこで狩猟民族として名を馳せたネイティブアメリカン、コマンチ族の女性・ナル。彼女を実際にネイティブアメリカンの血をひいたアンバーが演じ、全編コマンチ語で吹き替えたバージョンも作るなど、文化へのリスペクト度はかなり高いです。

 特筆すべきは本作の荒涼としたテイスト。回を重ねるごとにプレデター間の種族争いなど、さまざまな要素を増やして楽しませてくれたシリーズですが、本作はそれらを一旦脱ぎ捨て、シンプルな“命の取り合い”の緊迫感に特化させた、切れ味鋭い作りになっています。その切れ味は1作目を凌駕すると絶賛するファンも少なくないほど。男性優位な時代に女性が“森に現れた悪魔”と対峙し、戦士として成長していく神話のようなテイストにも注目の一作です。

あらすじ

300年前のアメリカ大陸。コマンチ族の若い女性・ナルは、優れた狩りの腕を持ちながらも女性という立場ゆえに、その実力を生かせないでいた。そんなある日、轟音とともに空から“狩り”に命をかける凶悪なエイリアン・プレデターが降り立ち、過酷な大自然の中で、二人の狩人は相見えることになる……。

2022.12.08(木)
文=TND幽介〈A4studio〉