マレーシアで絶対に食べておきたいのは……?

 驚いたのは、ヤシの実ジュース。カラパ、パンダン、こぶりなマオルなどのバリエーションがあり、日本人が米にこだわるように、マレーシア人もココナッツにこだわりがあるもよう。それぞれ値段も若干異なります。ためしにパンダンをオーダーすると、同じ見た目ながら、ちゃんとヤシの実ジュースの味の奥にパンダンリーフの味がしました。はじめての感覚です。

 ビーチ1ではシャボン玉がブームのようです。巨大なもの、連射するものなど、露店に並ぶシャボン玉を作るおもちゃもいろいろ。子供から大人まで、浜辺で無邪気にバブルとたわむれています。

 無数のシャボン玉がふわふわと漂う中、屋台からのいいにおいや、大道芸人や歌手のパフォーマンス、そして人々の笑い声、いろんなものが混ざり合い、サンセットを迎えます。

 さて、安くてうまい地元メシを求めて、夜の街へ!

 マレーシアを訪れたら、食べておきたいもののひとつがバクテー! 数種類の漢方薬やハーブと一緒に豚肉を煮込んだ薬膳料理です。カラダにイイものは得てして美味しくない(勝手な持論)けれど、バクテーは例外。ヘルシーながら、ジャンクな味なのです。さすが、かつて過酷な港湾労働に従事する人々を支えた料理です。

 コタキナバルにはバクテーの店がいくつかあり、地元の人はそれぞれ贔屓にしているところが決まっているようです。そんな中から今回は、バクテー発祥の地クランの老舗「奇香肉骨茶(キーヒョン・コタキナバル)」をチョイス。

 バクテーの一般的なスタイルはスープですが、最近の流行りは焦げる寸前まで煮込んだ汁なしのドライバクテーだとか。濃い味付けなので、白メシも進みます。周囲のテーブルを見ると、スープと汁なし、両方をオーダーしている人が多いようでした。

2023.05.06(土)
文・撮影=古関千恵子