#271 Geruma Jima & Fukaji Jima
慶留間島&外地島(ケラマ諸島、沖縄)
前々回にご紹介した阿嘉島から南下した慶留間島、さらに南下した外地島。この座間味村に属する3つの島々は橋で結ばれ、陸路で渡ることができます。“南の島指数”というか、離島らしさが、阿嘉島もかなり高いですが、慶留間島と外地島はさらにアップ。阿嘉島から橋を渡って、2つの島をめぐってみましょう。
阿嘉島と慶留間島を結ぶ阿嘉大橋は、全長530メートル。橋を渡って海沿いを左に行くと、焼き物の貫入のように筋が走った岩盤が露出しています。そそり立つ岩肌は飲み込まれそうな迫力。沖縄といえば琉球石灰岩のイメージがありますが、それとは明らかに異質な見た目です。
これはサンゴ礁が隆起したのではなく、海底に堆積した砂や泥に高熱の溶岩が噴出してできた、ケラマ諸島の基盤岩だそう。長い年月をかけて隆起や沈降を繰り返し、今の入り組んだリアス海岸の島々が形成されたと考えられています。
慶留間島は周囲約4.9キロの島に、60人ほどの人々が暮らしています。ケラマ諸島の4つの有人島の中では最も小さな島です。
琉球王府時代後期には中国と那覇を行き来する公用船の重要な中継地点だったそう。けれど、この海域は入り組んだ地形である上に、岩礁も多く、しばしば座礁する船も。そこで活躍したのが、自分たちの海をよく知る地元の船乗りたち。当時、唐儲け(からもうけ)によって財をなした船頭屋敷が、慶留間島には数多くあったそうです。
2023.04.08(土)
文・撮影=古関千恵子