首里城にも用いられるサザナミサンゴで造られた石塀
![慶留間島のビーチはほぼ貸し切り状態!?](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/2/1280wm/img_027e73368cef0c7b1e21bbfa900c1853145174.jpg)
そのひとつが、国の重要文化財に指定されている高良家住宅。19世紀後半に築かれたお屋敷は、慶留間島の集落の中央にひっそりとたたずんでいます。
台風対策のために軒高まであるという、背の高い石塀の間の小道を進むと、屋敷の前で突如、視界が開けます。そこには沖縄の伝統的な民家に見られる、ひんぷん(目隠し塀)が。その奥に戸を開け放した屋敷が立っています。
![高良家住宅へ続くサンゴの石塀。建物は台風対策のため、周囲の地盤よりも低い位置にあります。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/4/1280wm/img_c477b78d081989bbf98892e3bf67e7f4213706.jpg)
![石塀の道を抜けると、ひんぷんがあり、その奥に屋敷が。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/c/1280wm/img_3c211b6b0115c384fd07adb11b2c0750216066.jpg)
管理している島民の方が高良家住宅の説明をしてくれました。
まず緻密にサンゴを積んだ石塀は、この地方で「ちぶる石」と呼ばれる、サザナミサンゴの塊を削り、パズルのように噛み合わせた「相方積み」。これは首里城の一部でしか見られない特殊な技術だとか。石塀のほとんどが平成11(1999)年の保存修復時に積んだものですが、一部建築された当時のものも残っています。
![沖縄の他の地域でよく見る琉球石灰岩ではなく、サンゴを組んで積み上げた石塀。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/2/1280wm/img_42313e78b1b5e561f4ad8481eb78d4ac233962.jpg)
![炊事場が主屋内にあるのは珍しいとのこと。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/4/1280wm/img_049977165506d548880d4922a6c75f60115687.jpg)
そして屋敷の後方に回ると、「ウヮー(豚)フル(便所)」という家畜小屋が配置されています。その一角にはかつての家主が海から拾ってきたB29の燃料タンクを改造した小舟も置かれていました。沖縄がくぐり抜けてきた歴史の一端を垣間見るようです。
![かつての家主がB29の燃料タンクを改装して小舟に。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/4/1280wm/img_e488a1c0800b1f62c9bdf17fb52818d2116208.jpg)
さて次に慶留間島から全長240メートルの慶留間橋を渡って外地島へ。阿嘉島からは2キロ南東へ下ったことになります。
2023.04.08(土)
文・撮影=古関千恵子