#270 Chibishi
チービシ(沖縄県)

三度目の正直ってあるのですね。この冬、クジラと一緒に泳ぐという夢が叶いました。
ホエールスイムといえば、タヒチのルルツ島や、トンガが有名です。けれどどちらも飛行機を乗り継いで行かねばならず、正直、遠い……。
あきらめかけていた時たまたま知ったのが、ルルツ島よりは断然行きやすい、タヒチ島でのホエールスイム。早速、次のシーズンに体験してきました。

しかし、入水すると同時にクジラの親子は深みへと潜っていってしまったので、遠のいていく2頭のうしろ姿をただ眺めるばかり。その残像を心に焼き付けて、大切な思い出としてきました。

昨年は、鹿児島県の沖永良部島でホエールスイムをやっていると聞きつけ、門を叩きました。タヒチ島に比べれば、ずいぶん近いです。
けれど、訪れた日は天候も思わしくなく……。2月の寒空の下、遠くでジャンプする姿が見えるたびに、ボートでそちらへ向かうものの、クジラは水面下へ消えてしまう、という繰り返し。水中に入ることもなく、終了となりました。自然相手ゆえ、こればっかりは仕方がないです。

沖永良部島で船が一緒だった女性が教えてくれたのが、沖縄本島沖のチービシでも行われているということ。国内、それもさらに行きやすくなりました。
2023.03.25(土)
文・撮影=古関千恵子