この記事の連載

まさかのコラボが実現!?

志村 雑誌を読むのも手かもしれません。「on BLUE」を毎号読んでいるのですが、本当に上手な方が多くて、読むと元気が出るんです。いつも、編集部の方のセレクトが絶妙だなと思う執筆陣。

一穂 絶対に一つはお気に入りに出合える雑誌ですよね。私は『STAYGOLD』シリーズが大好きで、先日発売された『STAY GOLD それから。』も最高でした。

 『蜜果』もよかった。ゲイ風俗の店長×ホストで、セクシャルなのがだんだん純愛になっていく。どちらも、過去の脇役をメインにしたスピンオフですが。

志村 面白いシリーズはスピンオフからでも十分楽しめますよね。巻数を気にせずにまずは手にとるのも、アリだと思います。

一穂 割りを食ったり失恋したりしたキャラクターも救済されますしね。

志村 担当編集さんから「この子、お相手いるんですか?」と言われて、「いないこともないんですけど……」と答えていると生まれる(笑)。

―― 一穂さんは、先日発売された『ブルーモーメント』でマンガ原作デビューしていましたね。

一穂 「桜が咲いてて」「ビル街」などさらっと言葉で書いたのを繊細に汲み取って、絵にしてもらえるのは信じられないくらい楽しい。

 文章って読者に読んで噛み砕いてもらう段階が必要なんですけど、絵は、おいしい料理を食べた瞬間の感動を与えられますよね。そういうものに携われたのはすごく嬉しかったです。原作は、またやってみたいですね。

K(志村さん担当編集) あの……おふたりでやったらいいのでは?

志村 私、やらせていただいてもいいんですか?

一穂 え、やっていいんですか?

――まさかの展開! 実現を楽しみにしています!

おふたりの新刊をご紹介! NEW BOOKS

『淡島百景』志村貴子

長い伝統を持つ淡島歌劇団附属の歌劇学校を舞台に、スターを目指す少女たちや、その周囲の人々の夢や挫折、執着をこまやかに描く群像劇。8月に最新4巻が発売。
太田出版 748~880円 既刊4巻


『ブルーモーメント』一穂ミチ 原作/ymz 作画

コロナ禍にバーを切り盛りする響。客の尚人とのひと時に癒やされていくが、響にはバーの開店を支援してくれた愛人・征司がいて……。移ろいゆく三角関係のゆくえは。
講談社 990円 全1巻

志村貴子(しむら・たかこ)

1997年、「ぼくはおんなのこ」でデビュー。成年マンガから百合まで、ジャンルレスに活躍。BL作品に『起きて最初にすることは』『ブルーム・ブラザーズ』ほか。10月に個展を開催予定。


一穂ミチ(いちほ・みち)

2007年、BL小説『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。劇場アニメ化した『イエスかノーか半分か』など人気作多数。2022年『スモールワールズ』で吉川英治文学新人賞受賞。

次の話を読む年に2000冊を読破する BLソムリエおすすめマンガ17選 読むほどに見えてくるBLの魅力とは!?

2022.11.12(土)
Text=Hirarisa

CREA 2022年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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「CREA」2022年秋号は「夜ふかしマンガ」特集です。慌ただしい日々を過ごしていると、眠りにつく前のひと時くらい、すべてを忘れてマンガの世界に没頭したくなりますよね。そこで、時代をあぶりだす社会派から、大人の胸キュン、話題の新人作品まで、ぜひ読んで欲しい名作を集めた「夜ふかしマンガ大賞」をお届けします! 今年最注目の第一位は――!?