この記事の連載
◆『それでも愛を誓いますか?』萩原ケイク
セックスレス問題に多面的に斬りこむ
結婚8年目の純(35歳)と武頼(39歳)はセックスレスになって5年。それさえ除けば夫婦仲は良好。仕事ができて優しい武頼は完璧な夫なのだが……。女性側のみならず男性が抱えている苦悩や、愛情と肉体のズレにもしっかり言及。純が出産の「期限」とセックスレスの問題をないまぜにしていたことが問われるなど、ハッとさせられるフラットな視点が光る。
『それでも愛を誓いますか?』萩原ケイク
双葉社 660~704円 全8巻
粟生こずえ(あおう・こずえ)さん
編集者・ライター・作家
マンガレビュー、マンガ家インタビュー多数。本を読むのが習慣の自称“読鬼”。不定期でブックトークイベントや蔵書を放出する「おもしろ古本市」を開催。
◆『純猥談』純猥談編集部 原作/田川とまた 作画
原作は匿名の恋愛体験談集。何年たっても忘れられない性愛のエピソードを情感たっぷりに描く。ぎこちなく体を合わせながら、自分の中にひそむ愛欲を知った、あの日の臨場感がリアルによみがえる。
「猥談こそ胸キュン、です」(薗部さん)
『純猥談』純猥談編集部 原作/田川とまた 作画
講談社 各726円 既刊2巻
薗部真一(そのべ・しんいち)さん
編集者・元「このマンガがすごい!」編集長
文藝春秋編集者。主な担当作に「週刊文春エンタ+」『この世界の片隅に こうの史代 片渕須直 対談集』(文藝春秋)マンガ『翔んで埼玉』(宝島社)など。
2022.10.24(月)
Text=Kozue Aou