シリアスと笑いの見事な融合
 
つづ井 いい話聞いた〜。私、和山先生の『カラオケ行こ!』も大好きなんです。1冊でお話がきれいにまとまっているし、和山先生入門として、よく人におすすめしているんですよね。こちらはちょっとシリアスな空気が入っているのが、ギャグのパートをより盛り上げてくれる。逆に、コメディだし何事も起こらないなと思って安心して読んでいたら、たまに緊張させてくれるんです。この絵柄だからこそ出せるシリアスとコメディのバランス、絶妙すぎます。
不幸な展開はメンタルがやられるのでコメディに持っていきます─和山
 
和山 『カラオケ行こ!』はもっとシリアスな展開になる可能性もあったんですが、自分でブレーキをかけました。ホラーマンガが好きなので、人が不幸な目に遭ったりするのには免疫があるほうだと思うんですが、自分で描くとどうしてもキャラクターの感情が移ってしまうので、すごくメンタルがやられるんです。描いていて楽しいほうがいいので、コメディに持っていった感覚があります。
つづ井 そういう感覚なんですね。
和山 つらい話とかつらい現実ではなく、全然悲しくならないような話で、ちょっと疲れたなぁって方たちに笑ってもらいたい気持ちもあるんです。
つづ井 そこ! こちらのメンタルのコンディションに関係なく、いつ読んでも楽しいというのは、和山先生の作品の大好きなところなんですよ。
和山 私にとっては、つづ井さんの作品がまさにそうです。つづ井さんたちの輪のはじっこで黙って座って、ニコニコしながらみんなの話を聞いている、6人目の友達のような気持ちで読んでいるんです。
つづ井 いや、今度本当の6人目の友達としてパーティに遊びに来てください!(笑)

『カラオケ行こ!』和山やま

合唱部部長の中学生・岡聡実はヤクザの狂児に歌のレッスンを頼まれる。歌唱指導を重ねるうちに、奇妙な友情が芽生える。『ファミレス行こ。』が「月刊コミックビーム」で連載中。
KADOKAWA 770円 全1巻
 
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- writer
- staff
- Text=Daisuke Yoshida 
 Photographs=Asami Enomoto
- category
 CREA 2022年秋号
 ※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
 
               
            




 
                    
                   
                    
                   
                    
                   
                    
                   
                    
                   
                    
                   
                    
                   
                    
                   
                    
                   
               
               
               
               
                



 
                 
                 
                 
                 
                 
                