「CREA」2022年秋号は、「夜ふかしマンガ」大特集です。
今、夜な夜なマンガを楽しむ大人が急増中。慌ただしい日々を過ごしていると、眠りにつく前のひと時くらい、すべてを忘れてマンガの世界に没頭したくなりますよね。そこで、時代をあぶりだす社会派から大人の胸キュン、話題の新人作品まで、35名のマンガ好き著名人に投票いただき選んだ「夜ふかしマンガ大賞」をお届けします! 今年最注目の第一位は――!? マンガ家さんや声優さんなど、豪華インタビューも満載です!
CREA 2022年秋号
発表! 夜ふかしマンガ大賞
特別定価930円
CREA WEBでは、「CREA」2022年秋号のコンテンツの一部を大公開します!
積み上げられたたくさんのマンガを次々に手にしては、一瞬で入り込んでいく。おかしな体勢を取りながら、「マンガを読むときってこうなっちゃいますよね」と大笑い。
周りをみんな笑顔にしていくその人は、西山宏太朗さん。「あんさんぶるスターズ!」深海奏汰役をはじめ、様々なアニメ作品に出演。コメディセンス抜群の朗らかなパーソナリティで大人気の声優だ。西山さんにとってマンガは、今の自分を形成している大事な要素だそう。
「8歳上の姉と6歳上の兄がいるので、マンガの読み方も姉と兄の影響がすごく大きいです。特に姉はクローゼットをマンガで埋め尽くすほどのマンガ好き。おかげで僕は、ジャンルを問わずたくさんの作品に触れられたと思います」
今の僕をつくったマンガたち
西山さんお気に入りのマンガは、どれも懐かしい作品ばかり。実際、何度も読み返してきたそう。
「『魔法陣グルグル』や『花さか天使テンテンくん』は兄の影響ですね。僕はくだらないギャグが本当に大好き(笑)。笑いの感覚はこのあたりから受け継がれたものだと思います。『おそるべしっっ!!! 音無可憐さん』は、僕が幼いころに榎本加奈子さん主演でドラマ化されていて、僕はドラマの可憐さんをずっとモノマネしていたらしいです(笑)。姉に原作があることを教えてもらい、改めて買ったんですよね。友達とゲラゲラ笑いながら何度も何度も読んだなぁ」
『天使なんかじゃない』も西山さんが繰り返し読んだ作品のひとつだが、こちらは涙なしでは語れない存在のようだ。
「名作ですよね。小4ぐらいのときに、姉の部屋にあったのをこっそり読んだのが出合いでした。キャラクターがそれぞれ色濃く描かれているので、出てくるみんなが大好きになる。マミリンこと麻宮裕子ちゃんは特に好きですね。ラストのネタバレになってしまいますが、卒業式で主人公の冴島翠が答辞を読むシーンが大好きで。〈実は私の答辞の原稿は白紙なんです〉って。
素直な気持ちを言いたいけれど想いが溢れて言葉が出てこない……。あれは真似したくなる名シーンだし、この学校に行きたい、って心から憧れました」
~インタビューの最後に、表紙撮影のメイキング動画を公開しています。ぜひお楽しみください!~
西山さんが何度も読み返している4作
『おそるべしっっ!!! 音無可憐さん』鈴木由美子
好きな男子の前でだけ儚い美少女を演じる音無可憐の愛の物語。「僕があまりにモノマネしすぎて母がうんざりしていたそうです(笑)」講談社 各550円 全2巻 ※電子書籍版
『花さか天使テンテンくん』小栗かずまた
ダメダメ天使テンテンと、何の才能もない少年ヒデユキ。ギャグの応酬が楽しい、才能探しコメディ。「僕の笑いの源はここにあります!」集英社 各408円 全17巻 ※電子書籍版
『魔法陣グルグル』衛藤ヒロユキ
やる気のない勇者たちのRPG風冒険譚。「〈おならぷう〉は神の言葉でこんにちは! 思い出すだけで笑っちゃいます」スクウェア・エニックス 427~429円 全16巻※電子書籍版
『天使なんかじゃない 完全版』矢沢あい
新設高校の1期生・冴島翠や須藤晃たちが生徒会役員として過ごす青春の3間。「マミリンの〈冴島翠みたいになりたい〉っていうセリフも大好きです」集英社 各1,320円 全4巻
2022.09.07(水)
Text=Tomoko Ohmagari
Photographs=Osamu Yokonami
Styling=Toshihiro Muratome(Yolken)
Hair & Make-up=AKi