恩師・塩屋俊との出会い
――その後、演技学校アクターズクリニックで、恩師でもある塩屋俊氏に出会いますよね? 第一印象が「(塩屋氏が出演したハリウッド映画)『ミスター・ベースボール』の人だ!」というのは、まさに映画ファンならではのエピソードですよね?
子供の頃、TVで映画を見てましたからね(笑)。事務所の演技レッスンで初めて会ったんですが、それ以前は映像の芝居を学んだことがなかったので、いろいろなものを学びました。なかでも、いちばん学んだことは芝居で嘘はつくな、ということ。どんなに大袈裟な芝居をしなくちゃいけないときでも、自分のなかに必ずリアリティを持ってやりなさい、と。先に気持ちがあって、そこからセリフを言えということでした。
――俳優としてのデビュー当時、思い出の作品やエピソードはありますか?
全部忘れられないですけれど、いちばん最初に出演した映画『椿三十郎』の現場は忘れられないですね。映画ファンとしても大好きな森田芳光監督の作品でしたし、最終オーディションは5時間もかかったんです。撮影所での映画作りを間近で見ることができたし、見るものすべてが新しかったですね。主演の織田裕二さんの存在感、本当に上手い人たちの芝居……どれも圧倒されました。
2013.08.16(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Hirofumi Kamaya