桑村さんのお弁当を拝見
桑村:私は自分ではお弁当をつくらないので、和久傳が春に出した「櫻花」という商品をお弁当に仕立てて持ってきました。これはワインと一緒に食べていただくお弁当としてつくっています。これからはワインやシャンパンでお弁当をいただく時代。お客様のニーズは時代によって変わっていきますから、それに合わせて商売をさせていただいております。
会場:(お弁当が出てくると)おおー!
桑村:このアクリルの容器なら、あとでアクセサリー入れにしていただけますでしょ? お弁当の中身は、丹後地方のお野菜を中心に使用して、1段目はスナップえんどう、万願寺とうがらし、おくら、糸瓜、つる菜、ズッキーニ、花カンゾウ、車エビを薄く味付けしたものに、酢ゼリーをかけたもの。2段目は茄子の揚げびたし、たまねぎを炊いたもの、すずきの油煮など。3段目はバターナッツ、毛蟹、湯葉の味噌漬けなどで、4段目は鱧のちらし寿司です。
遠山:おいしそうですね。和久傳さんはまた、食を通じて、高いレベルのことを実現されていますね。
桑村:いえいえ、遠山さんの足元にも及びませんが、いま、私どもは原材料からの生産を始めています。そのために丹後に8千坪の土地を買い、生産工房をつくり、よい環境で食品をつくるためにその周りに2万本の木を植えて森もつくりました。そこで山椒や桑、あずきなど、安全・安心な食材から生産して商品をつくっています。
遠山:10月(2013年)にはここ東京・丸の内でもおぜんざい屋さんを始められるとか。
桑村:はい、丹後の工房でつくった丹後でしかできないあずきを使って、10月中旬予定でおぜんざいも食べられる、料理屋の作る菓子専門店をオープンします。ここは日本ですから、丸の内にもおぜんざい屋さんが必要でしょう?
2013.08.20(火)
text:Rika kuwahara
photographs:MIki Fukano / Nanae Suzuki