初オーディションで、主要キャストに合格
――そして、東京芸術大学の音楽学部声楽科に現役合格されます。最初に住んだのは亀有でしたよね。
(笑)。一浪、二浪は覚悟していたのに、現役で受かるなんて驚きでした。だから、天にも昇る気持ちで、ミュージカルと関係ないところで、「どんな出会いがあるんだろう?」って、勝手にキャンパスライフへの期待に胸ときめかせたりしていました(笑)。まさに地方出身者の典型というか、おのぼりさん状態で、東京がよく分からないまま亀有に住むことを決めたんです。その後、ほとんど千葉寄りと分かった瞬間、「いつかは都心部に住んでやる!」という野望を抱きましたね(笑)。分かりやすいんですが、その次は港区に引っ越しました。
――2000年、大学在学中ながらミュージカル「エリザベート」において、皇太子ルドルフ役でデビューを果たします。オーディションを受けられたのは、これが初めてですよね?
授業でミュージカルの集中講義があって、演出家の小池修一郎さんがいらっしゃったんです。小池さんとお話ししていたら「この日に、ここに来てみてください」と言われたので、よく分からないまま行ったら、それが「エリザベート」の最終オーディションでした。たまたま、ルドルフ役だけが決まってなかったみたいで……。当時の僕は大学2年ということもあって、何のリスクもないし、自分のレベルが分かればいいと、どこか記念受験のような気分だったと思います。なにより、普通の大学生が出演できるなんて思っていませんでしたし、それまで特にお芝居の勉強はやっていませんでしたし。
2013.07.12(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Nanae Suzuki
hair&make-up:Tomio Kawabata
styling:Miho Yoshida