汁×おむすび。ほどける感じがいい!

 汁はというと、看板の「十穀茅汁」や「ぼるしち」「鶏団子の翡翠汁」など。味噌汁ブームの私が選んだのは「九州の豚汁」。やっぱり豚が好き。そしてうれしいのが、おにぎり2個とのセットだということ。この組み合わせには、お茶碗に盛ったごはんでは得られない、独特の気持ちよさがあるように思う。

 おにぎりは冷たい。これをパクッと食べては熱いお味噌汁をぐびり。「名店のシャリかよ!」という具合に、おにぎりがパラッとほどけるのが美味しい。お行儀が悪いような気もするが、そんなふうにこの組み合わせをついつい楽しんでしまうのである。豚汁には甘いさつまいもをはじめ、根菜もたくさん入っているので、モグモグ食べる歯ごたえも快感。お味噌を注文を受けてから溶いているというから、作りおきの味噌汁とは風味が違う。

 ちなみに、汁に入れる薬味とおにぎりのトッピングはチョイスできる。茅乃舎の柚子胡椒やふりかけ、ごはんのおともを試食感覚で。しかし、ごはんと汁のハーモニーを楽しみたい私にはトッピングは不要、基本的に辞退している。

 外食が多い人や一人暮らしなどライフスタイルによっては難しい、具だくさん味噌汁。11時から21時まで、休憩なしの通し営業なので、その後もさっそくリピート。どうしても豚汁を頼んでしまうので、ほかの味に辿りつけていないが、これからも我が家のように使わせてもらいたいと思う。

汁や 茅乃舎
住所 東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウンガレリアB1
電話番号 03-3479-0880

北條芽以(ほうじょう めい)
神奈川県鎌倉市生まれ。情報誌編集者を経てフリーライター、料理本の編纂を行う。好きなのは炭水化物(特にごはん)とお肉の組み合わせ。お酒はあまり飲めない。「左手にごはん茶碗を!」

Column

北條芽以のLOVEレストラン

美味なるLOVEなひと皿を求めてレストランに通う日々。
著者が偏愛する、この季節、このお店のLOVEはいったい何? あなたの次のレストラン選びに参考になること間違いなし!

2013.07.15(月)