うちの子ベストショット①
「飼い始めて間もない時」
――大阪から東京へ拠点を移された時に、2匹も一緒に上京したんですよね。
そうですね。引っ越しがめちゃくちゃ大変で。僕が2匹を連れて先に東京に来たんですけど、環境が変わったせいか、2匹ともずっと鳴いてて。何しても治らないし、ご飯も食わなくて、僕もずっと寝られませんでした。そこから徐々に慣れてきたんですけど。
なかなか縮まらない、猫と息子の距離感
――しばらくして、お子さんが生まれたそうですが、奥さんと鰻さん、そしてお子さんに対して、2匹は今どんな距離感なんですか?
それがねぇ……。子供はいま3歳なんですけど、猫との距離はいまだにずっと縮まらないままなんですよ。僕と奥さんにも子供のいる空間ではあんまり近づかなくなってしまいました。
――では、お子さんと2匹の初対面はどんな感じだったんですか?
2匹とも、子供を見た瞬間にダッシュして「その隙間、入るんか?」っていうような場所に隠れてしまいました。
最初は精神的にもだいぶやられてたみたいで、食も細くなってましたし、毛並みも悪くなってしまって。
——その状態から3年経ってもなかなか慣れない、と。
しっぽなは子供がいる生活に少しは慣れた感じがありますけど、はっさくはまったくダメですね。
子供って力加減がわからないから、叩くように撫でたりするじゃないですか。猫としてはそれがめっちゃ嫌みたいで。
もちろん「優しくせなあかんで」って言い聞かせてるんですけど……。子供は猫に興味があるから、猫がトイレしているところをわざわざ見に行ったり、キャットタワーを揺らしたりして困らせてしまうんです。結局シャーって引っかかれて泣いてしまうんですけどね。
――「子供だからしょうがない」と甘んじて受け入れているように見える猫もSNSなどでは見かけますが、なかなか難しいですね。
あと1~2年くらいですかねぇ? 子供がもう少し大きくなるまで、仲良くなるのは難しいかもしれないですね。
うちの子ベストショット②
「仲が良く、大体寄り添って寝てる」
――2匹の心休まる時間はあるんでしょうか。
子供がいる時間はキャットタワーの上のほうから様子を伺っていたり、やぐらみたいなところに隠れてるんですけど、夜9時頃、奥さんと子供が寝室に行ったら、ようやく出てくるんです。
はっさくは僕の前にごろんと寝転がってなでてほしそうにするし、今まであまり近寄らなかったしっぽなも僕の横にぴったりとくっつくようになって。
――鰻さんの存在が、2匹にとって心の拠りどころになっているんですね。
そうなんですかねぇ(笑)? 確かに僕が夜遅くに帰ってきてご飯を食べていると、2匹ともめちゃくちゃ近寄って来てくれますね。ある時、しゃぶしゃぶを食べてたんですよ。しゃぶしゃぶした肉をポン酢につけて食べようとしたら、僕にぴったりとくっつきすぎた猫の尻尾がポン酢に浸かっていて……最悪でしょ(笑)。それくらい近くにいますね。
2021.09.28(火)
文=高本亜紀
撮影=山元茂樹
写真=鰻和弘