さらば青春の光の事務所で暮らす、一番偉くてかわいいマンチカンの“会長”

 お笑い芸人さんに一緒に暮らすペットを紹介してもらう連載「お笑い芸人の“うちの子”紹介」。

 第5回に登場いただくのは、コントに定評があり、メディアでも活躍中のさらば青春の光・森田哲矢さん。

 2017年から個人事務所「ザ・森東」でマネージャーのヤマネさんとお世話しているのは、マンチカンの会長。

 事務所の中には、森田さんが手作りしたキャットウォークも。取材中は全体が見渡せる椅子の上にどっしりと座って、インタビューを受ける森田さんを静かに見守っていました。

「産まれたばかりの動画があまりにかわいすぎて引き取ることに決めました」

――会長は、お知り合いのヘアメイクさんから譲り受けられたそうですね。

 たしか、「子猫が産まれたんですけど、飼いませんか?」みたいなことやったと思います。ヤマネさん(マネージャー)にどうしますかと相談していたときに、そのメイクさんから産まれたばかりの子猫の動画が送られてきて。あまりにかわいすぎて、4匹いた中の1匹を引き取りますってすぐ伝えました。

――それまでに猫を飼ったことはあったんですか?

 実家で飼ってました。20年くらいいて、今もまだ生きてます。

 森田家の歴史の中で、猫っていうのは拾ってくるけど飼えなかったっていうか。おかんが猫嫌いなんで、何回も拾って持ち帰っても(飼うのを反対されて)元いた場所へ戻しに行くっていうことを繰り返してたんですけど、俺が18~19歳やったんかな? 中学3年生の弟が子猫を連れて帰ってきたんです。その子があまりにもかわいくて、1カ月くらい、僕の部屋でバレへんように飼ってたんですけど、結局、おとんにバレて。

 けど、おとんもかわいいって言い出したので戻しに行けとは言われず、おかんもそのままなし崩し的な感じになって、結局飼うことにしたんです。

 ただ、おかんはこの20年間もずーっと猫嫌いのまま。猫の文句をよう言うてますけど、そういうおかんと猫の関係性がいいなと思ってますね。

うちの子ベストショット①

「ぐうたらしてる時が一番可愛い」(森田さん)

――上京されてからも、猫を飼いたい気持ちはあったんですか。

 飼えるならばもちろん飼いたいとは思ってました。けど、ぶっちゃけ大変なことも多いじゃないですか。実家の猫にクローゼットに仕舞っていた洋服をほぼ全部、毛まみれにされたこともあったんで、メイクさんから声をかけられたときも悩んだんですけど、いい機会やということで事務所で飼うことにしたんです。

――会長と名づけたのは?

 僕が社長で東ブクロが副社長やから、僕らの下っていうのも違うなぁと。いちばん偉い階級にしたほうがいいんかなと思って名づけたんですけど、「月刊ムー」やったかな? 編集長の人に「ペットに位の高い名前をつけるのはめちゃくちゃいいんですよ」って言われましたね。まぁ、ほんまかどうかはわからないですけど。

――猫って飼うと、仕事が順調になっただとか、招き猫効果があるっていう人もいますよね。

 ほんまにあるかもしれないですね。この取材も猫ありきでもらった仕事ですし、猫関連で中部国際空港 セントレアの営業に呼んでもらったこともあります。イベントスペースのでっかいビジョンに会長の写真をどーんと映しながら俺が会長の話をする、みたいなものでね。

 こいつが取ってきてくれた仕事はたくさんありますし、たしかにほかの仕事もちょこちょこ増えたかもしれない。前の事務所からここに引っ越したのも、あいつが来て半年くらいのことでしたし、業績も下がったことはないですから。

2021.06.17(木)
文=高本亜紀
撮影=佐藤 亘
写真=森田哲矢