社会現象にもなったタニタの社員食堂の実際のエピソードを元にしたハートフル・コメディ『体脂肪計タニタの社員食堂』で、ダイエット作戦に挑む副社長・幸之助を演じた浜野謙太。インストゥルメンタルバンド「SAKEROCK」などでミュージシャンとしても活躍する一方、個性派俳優として注目を浴びる彼の熱い思いとは?

就活から逃げるように、音楽活動に没頭

――大学時代に、高校の先輩に誘われてSAKEROCKに参加された浜野さんですが、担当楽器であるトロンボーンはいつから始められたのでしょうか?

 トロンボーンは中学の頃に、吹奏楽部で始めたんですよ。最初はトランペットをやりたかったんですけど、やっぱり人気なんですよね。それで顧問の先生からは「浜野は唇が太いからチューバだな」と言われたんですけど、なんかイヤだったんですよ(笑)。トロンボーンの枠がたまたま一人空いていたので、妥協しながら始めたんです。

――大学時代は将来の目標みたいなものはあったのでしょうか?

 特にはなかったですね。どこかでいつか就職活動しなきゃいけないとは思いながら、逃げるようにして音楽をやっていましたから。最初は自分のなかで、音楽と大学も分けていたんですけど、そのうち大学で学んだことを音楽に還元したり、その逆もあったりするようになったんです。今でも大学で学んだことを、僕がリーダーとヴォーカルを務めるバンド・在日ファンクの歌詞にしたりしていますし、影響は至るところに出ているんですよね。

――大学卒業後、2005年ぐらいから、スペースシャワーTVの音楽番組でレギュラーを務めるようになりますよね。

 そうなんです。このスペシャのレギュラーが始まって、ギャラももらえるようになって、余計に就活しなくていいかなと思うようになって……。でも、その頃はこの世界でやっていこうというより、就活から上手く逃げることができてよかった、という気持ちの方が大きかったですね。

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2013.05.17(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Atsushi Hashimoto