毎回特殊メイクに6時間を費やした新作

――『婚前特急』のプロモーションでは、「笑っていいとも!」にも出演されましたよね?

 昔からよく聴いていたEGO-WRAPPIN'やスチャダラパーなどのミュージシャンと一緒に仕事ができたぐらいの頃から既に「ミラクルだ」と思っていたので、「いいとも!」に出してもらったときはもう、夢を見ているような感覚でした。「いいとも! に出て良かった」と思ったのは、そのときに親が「もう、いつでもいいから(実家に)帰っておいで」と言ってくれたんです。音楽で食っていこうと思ったとき、特に反対されたとかはないんですが、故郷に錦を飾ったというか、親を安心させられたのはラッキーだった。その後も「タモリ倶楽部」にも出していただいたし、タモリさんと共演させていただくなんて、日本人として誇りですよ!

――さて、最新出演映画『体脂肪計タニタの社員食堂』ではダイエット作戦に挑む、肥満の副社長・幸之助役を特殊メイクで演じていますが、出演オファーが来て、どのように思われましたか?

 こういう役なのに、役作りのために自分が太る必要がないと聞いて、そんなに楽をしていいのかなと思っていたんですよ。つまり、特殊メイクは楽なものだろう、と勝手に思っていたんですが、一回メイクするのに6時間もかかるって……! 全然楽じゃなかったですね(笑)。

――最初に、脚本を読まれたときの感想は?

 肥満の副社長が痩せる話と最初に聞いたときは、僕的には“太っていること=ダメなこと”なのかと。つまり、太っていることを否定するような話に思えたんで、引き受けていいものかマネージャーに相談しましたね。でも、台本を読みこんだり、李闘士男監督とお会いしたときに「肥満の人を悪人ではなく、可愛く描きたいんです」とお聞きしたりして、テーマが深いところにいく作品になると思ったんです。だからこそ、やり応えのある役というか、「じつはやりたかった役だったかも?」と思ったんです。

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2013.05.17(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Atsushi Hashimoto