数々の話題作に出演し活躍する、俳優の南沙良さんと出口夏希さんが1月16日から公開の映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』で共演。本作は波木銅氏の松本清張賞受賞作を、『猿楽町で会いましょう』の児山隆監督が実写化した、不適切でキケンな青春映画だ。
南さんはラッパーを夢見ながらも、学校にも家にも居場所を見いだせず鬱屈とした日々を送る朴秀美を、出口さんはスクールカースト上位に属しながらも、家庭では問題を抱えている映画好きの矢口美流紅を演じる。お二人に映画の魅力や撮影時のエピソードを伺った。
撮影の三日前に……
――本作は、お二人が演じる女子高生2人と、吉田美月喜さん演じる毒舌家で漫画好きのクラスメイトが中心となって、同好会「オール・グリーンズ」を結成し、未来が見えない田舎町でのどん詰まりの日々から抜け出そうとする物語です。魅力的なシーンがたくさんありますが、お二人は脚本を初めて読んでどう思われましたか。
南 爽快感、疾走感のある作品だなと、最初に読ませていただいたときに思いました。登場人物たちが置かれている環境は決して明るいものではないけれど、彼女たちにはあまり悲壮感がないところがとても魅力的でした。
出口 私も読み終えたときにとても爽快感がある作品だなと思いました。今までいただいた役は、比較的明るくてまっすぐなキャラクターが多かったので、今回みたいに影がある役は初めてで、読み終えたときには「やってみたい」っていう気持ちが一番大きかったですね。
――お二人にとって、初めての挑戦が多かった作品だと思います。お二人が一番苦労したことはなんでしょうか? 南さんのラップのシーンは圧巻でしたが、練習も大変だったのではないでしょうか。
南 実はラップよりもスケボーが難しかったですね。私、ラップは元々好きでよく聴いていたので、全く馴染みのないものではなかったんです。
出口 でもラップのリリックを撮影の三日前に渡されてたよね(笑)。
南 そうそう(笑)。ラップシーンは何回かあるけど、終盤のラップシーンがすごいギリギリで。あれは覚えるのに必死でしたね。
出口 私は、今まで演じたことのないキャラクターでしたが、無理なくすぐになじめた気がします。アドリブも結構ありましたが、それも自然と出てくるもので、演じていてとても楽しかったです。
――アドリブが多かったのですね。
出口 美流紅ってキャラクター的に三人の中で一番よく話すタイプなんですけど、美流紅のセリフが多いシーンで監督がいつもカットをかけてくれないことが多くて(笑)。そのまま続けなきゃいけなくて、でもそれもやっていて楽しかったんですよね。
――中でもお二人が特に気に入っているシーンはありますか。
南 私は映画のタイトルが入るところが好きでしたね。
出口 うんうん、一緒!
南 とても粋でしたし、そのときの美流紅の「これは私たちにとっての第二部なんだよ」っていうセリフもすごく素敵だなと思いました。かっこよくて、あそこが一番好きです。
出口 私もあそこが一番好きです。夜中に東海村の大っきい交差点を封鎖して撮影したんです。そこを三人で走っていくと、撮影しながらも本当に気持ち良くて、これから物語が始まるんだなって思えるシーンでしたね。
――では原作の中で印象に残っているところはありますか。
南 三人の会話劇が読んでいてとても面白かったです。これをお芝居として昇華していくことがすごく楽しみだったので、原作が持っているテンポ感、キレの良さは、なくさずにやりたいなと思っていました。
出口 私はやっぱり映画と同じで、「高校生活が小説なり映画なり、物語だったとするじゃん」「だとすると、ここからが『第二部』ってわけ」っていうセリフですね。物語の始まりって感じがして、好きです。
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- 文=文春文庫編集部
撮影=平松市聖
ヘアメイク=竹島健二(南さん)、井手真紗子(出口さん)
スタイリスト=梅田一秀(南さん)、道端亜未(出口さん)
