2000万円の最高級ワニ革バッグ登場

 ちなみにこの博物館で一番高いのは、モラビトというフランスのブランドの、最高級のイリエワニの革(12匹分)を使用したトランクだそうです。

 新川柳作氏が博物館に展示するために注文して作ってもらったカバンだとか。

 黒光りしていて、他を寄せ付けない高級感です。

 展示の後半に、1930年頃、アメリカの上流階級の人が船旅をした時のトランクも展示されていましたが、上に重ねられないようにか(自分の荷物が一番上に置かれるように)、トランクの上部が丸く出っ張っていました。

 上流階級のえげつない本性が次々と明らかに……。

 アメリカのカバンはヨーロッパとはちょっと趣が異なり、実用性を重視。化学繊維や樹脂を使用し、持ち手の部分が金属で作られていたり。

 そんな技術が結集したのが、アポロ11号で人類が月面に行った時に月の石を入れたゼロハリバートンのアルミニウム合金のケースです。今でも人気のブランドだそうです。

 時代を象徴するitバッグといえば、かつてのメジャーな航空会社、パンナム社(パンアメリカン航空)の飛行機搭乗者のノベルティのエアラインバッグなどもありました。

2020.01.31(金)
文・漫画=辛酸なめ子
撮影=深野未季