テレワークなど日々の生活が変わっている昨今。「肩こりがひどい」「よく眠れない」なんてことが。そして、常につきまとう「痩せない」という永遠の悩み……。

 ストレスシティ東京は頼れるマッサージや鍼灸を施してくれるスポットの宝庫。不調や未病といった悩みに向き合ってくれます。

 ここではゴッドハンドと呼ばれるかたがたを訪ね、その秘密をレポート。また、ご自身が頼りにされている鍼灸院を、リレー形式でご紹介します。

硬かったお腹が すぐ柔らかくなる

 今回の主役は、「アイム治療院」横山 奨総院長が頼りにする「自然なからだ」。

 髪の毛のように細い鍼や、さまざまなお灸など施術は色々ですが、第一の特徴は、入念なカウンセリングにあります。

 初めての来院では、少なくとも15分、人によっては30分超ほど行い、生活習慣や生活環境などを確認。

 症状を根本から緩和できるように、じっくり施術します。

 方法は人によりますが、基本的には体調や体質に合わせたツボに鍼を打ち、脈を整えることからスタート。

 「体が緊張した状態で施術しても効果が出にくいので、まずは体をいい状態にしてから始めます」と、院長の手塚幸忠先生。

 来院者には30~40代の女性が多く、生理痛、生理不順、不妊などの婦人科系の悩みや、疲れが取れない、イライラするといった不定愁訴で困っている人、体のメンテナンスや美容目的の人も。

 「女性は子宮と体調が密接に関係しているので、そういうかたには、お腹(子宮)まわりを調えます。

 軽く押して、硬く緊張しているようなら鍼、冷えていればお灸といった具合に、症状に合わせて施術を進めます」

 手塚先生の技で面白いのは、施術のビフォア・アフターを実感させてくれること。

 例えば、「お腹が硬くなってますね」と言うだけでなく、ご自身にも触わっていただき、鍼を打った後でもう一度触っていただくことで、「確かに柔らかくなった」ことが分かります。

 「東洋医学って、鍼灸にしても漢方にしても時間がかかるイメージがあるのですが、必ずしもそうではないんですよね。

 お腹が硬いのは、女性の場合、主に血の巡りが滞っている状態。

 ピンポイントで鍼を打てば、比較的すぐに巡るようになります。

 できる範囲でこうした変化をリアルタイムで体感してもらうことを、個人的に『参加型エンタテインメント』と呼んでいますが(笑)、治療へのモチベーションを高めてもらうためにも、体の変化を具体的に伝えるようにしています」

2020.06.15(月)
文=伊藤由紀
撮影=佐藤 亘