ベルリン在住の料理家・あっこさんが提唱する、「スポンテニアス」な日々の料理。旬の食材を安く買って、冷蔵庫やストックにあるものと、気ままにインプロバイズ(即興で作る)! 超便利な常備食材と、季節の野菜を組み合わせたレシピをご紹介します。


大好きなインド料理から

 こんにちは。ベルリン在住のあっこです。

 「どんな料理が偉いのか」と考える時、「簡単なのに美味しくて栄養のある料理」かなと思うのですが、中毒的に美味しすぎるもの=またすぐ食べたくなる=たくさん食べたくなる=食べすぎてしまうのもよくない、というか罪作りだな、と飽食について考えたりもする今日この頃です。

 今回は大好きなインド料理から、簡単で美味しくて健康に良いと思うレシピを紹介します。

 何年か前、友達がインドにヨガの先生になるための修行に行き、そのインド土産にアーユルヴェーダの料理本をもらいました。

 その本のレシピはどれもかなり薄味で、病人用のレシピのようだったのですが、スパイスの使い方などの基本を学ぶことができました。

 好みにアレンジしながら試していてたどり着いた、大好きなレシピを紹介します。

ダル・トマトスープ

■材料(4人前)

・ココナツオイル:大3
・コリアンダーシード:小1
・クミンシード:小1
・マスタードシード:小1
・唐辛子:小さくて辛いもの1つ
・にんにく:3粒
・生姜:にんにくと同じくらい
・玉ねぎ:大1個
・トマト缶:1缶
・野菜スープの素:小1
・水:2カップ~
・塩:小1
・レンズ豆またはムングダル:3/4カップ (120ml)
・トマト:小4~5個
・カレー粉やお好みのガラムマサラ:小1
・ギー:小1

■作り方

(1) にんにく、生姜、玉ねぎはみじん切りに。
(2) 鍋にココナツオイル大3を温め、コリアンダー、クミン、マスタードシードを弾けるまで中火でじっくり温める。
(3) スパイスが弾けたら唐辛子、にんにく、生姜をさっと炒め、玉ねぎも加えてきつね色になるまで炒める。
(4) その間にトマトを一口大に切る。
(5) 鍋に切ったトマト、トマト缶、野菜スープの素小1、塩小1、水2カップとレンズ豆[3/4カップ]も加え、沸騰したら弱火にし30分ほど煮込む。
(6) 途中、水が足りなければ足す。
(7) 豆が柔らかくなったのを確認し、カレー粉小1、好みでガラムマサラ少々を加えて混ぜ、火を止めてバーミックスまたはミキサーにかける(熱いので跳ねる可能性があります。気をつけてください)。
(8) 最後にギーを加え、全体に行き渡るようによく混ぜたら出来上がり。

 めちゃくちゃ簡単! ぜひ、ギーを入れる前とギーを入れた後で味を比べてみてください。

 ギー小さじたったの1杯で突然ラムカレーのような味に!! 動物性の旨みのすごさを思い知ることができます。

 多めに作って小分けにし、冷凍保存しておくと、忙しい方には便利ですね。

 ポタージュ状のスープは消化によく、スパイスでほっこり温まって、塩分控えめ、高たんぱく、とかなりポイントの高いメニューです。

 これに緑黄色野菜のサラダ、ナンがあれば最高ですね。元気が出そう。

 ギーは善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールの増殖を下げる働きがあり、ビタミンが豊富で消化にもよく、とても体に良い食品です。

 物によっては発酵バターでできているものもあります。バターから不純物を取り除いてあるので常温保存も可能。牛乳でできているのにラクトースフリーという素晴らしさ。

 是非常備して色々使ってください。

2019.03.21(木)
文・撮影・レシピ考案=あっこ