フレッシュな野菜とワインを合わせる
マリアージュディナー

 「シャルドネステイ」の目玉といえば、1日目のディナー。メインダイニング「OTTO SETTE(オットセッテ)」で特別コース「Vino e Verdura(ヴィノ・エ・ヴェルドゥーラ)」を味わう。

 全11品のコース料理は、前菜からメイン、デザートにいたるまで、野菜のオンパレード。さらに、料理に合わせて地域のワインをペアリングするというユニークな試みだ。どれもが味わい深いだけでなく、「これはどうやって作っているの?」と驚かされるものばかり。好奇心がかきたてられ、次の一品が待ち遠しくなる。

 たとえば、1品目の「自然」と名付けられた前菜は、水、大地、森、太陽をイメージした4つの可愛らしい料理で構成。

 「水」はキャベツのスープにウドやアスパラなどシャキシャキとした食感の夏野菜がたっぷり。「大地」はほんのり甘いカブのムースとココアパウダーが意外とマッチ。グリルしたソラマメをスプーンで掬うとフキとクルミのマスタード和えが顔を出す「森」も、トマトの酸味をカペリーニとシャーベットで味わう「太陽」も、食べるごとに「お!」という驚きがある。

 夏らしさを見た目でも満喫できるのが、4品目のヤングコーン。皮ごとグリルした香ばしいコーンの下には、パスタのように炒めた“ひげ”が。これがシャキシャキとした歯ざわりで、思いのほかおいしい。

  あわせるのは、「ドメーヌ ミエ・イケノ」の「ミエイケノ 月香シャルドネ」。果実味やフレッシュな香りを逃さないよう夜中に収穫されたシャルドネで作ったワインが、ヤングコーンの香ばしさをひきたてる。

 4種類の前菜の後は、ナスやキノコのパスタ、色鮮やかなビーツ、メインディッシュのジャガイモ料理、タマネギ料理と続き、最後はグリーンピースやごぼうを使ったスイーツで、豪華なディナーが締めくくられる。

 もちろん、食材はその時々に一番おいしいものを使うので、料理もワインも、どんなものが出てくるかは当日のお楽しみ。

 食材を知り尽くしたシェフが手がける料理と、土地のワインをこよなく愛するソムリエが選んだワインは、まさに素材同士の出会い。自分でワインを選ぶのも楽しいけれど、こんなふうにおまかせして、ワクワクしながら料理とワインを待つのも、なかなか贅沢な時間だ。

2018.06.23(土)
文=芹澤和美撮影=鈴木七絵