ほのぼの感が気持ちのいい
街並みはカフェ天国

「ニューヨーク・タイムズ」で「世界で一番行きたい街」に選ばれ、イギリスの旅行雑誌「ワンダーラスト」で「世界で最も満足度の高い観光地」とされたルアンパバン。治安がよくて旅人にも優しい。

 午後4時頃になると、ようやく日差しも和らいでくる。部屋で休んだ後は、さっそく街歩きへ。メコン川とカン川に挟まれているルアンパバンの市街地はとても小さい。約2キロのメインストリートに有名な寺院が集中し、雑貨店やカフェがずらりと並んでいる。

メインストリートにずらりと並ぶのはカフェやゲストハウス。

 歩き始めてすぐは、そんな街の光景にちょっと拍子抜けしてしまった。秘境らしき場所を勝手にイメージしていたので、数メートルおきに両替所やATMがあることが意外だったのだ。

 でも、外資系のファストフードのチェーン店やコンビニエンスストアが一軒もないのは、なんとも痛快。観光地でありながら店員もしつこくなく、治安も抜群。ここなら、女性のひとり旅も安心だし、退屈しないと思う。

鮮やかな花とカラフルな建物と、トゥクトゥク。ルアンパバンは色鮮やかだ。

 私にとってなによりありがたかったのは、街のつくりがシンプルなこと。目抜き通りのシーサワンウォン通りとサッカリン通りを中心に、メコン川沿いとカン川沿いを歩けば、主だったスポットはほぼ網羅できる。これなら、地図を読めない(読まない)私も迷うことがない。

カフェはどの店もインテリアがかわいらしい!

 通りで一番多く見かけるのはカフェ。数があまりにも多すぎて、どこに入ろうか迷ってしまうほど。どの店も、涼しげなインテリアや天井で廻るファン、オープンエアの席がリゾート風で、見るからに居心地がよさそう。苦みが強く酸味の少ないラオスコーヒーも私好み。

 風がよく通るオープンエアの席に座って、トゥクトゥクが行き交う様子を眺めてぼーっとするのは、なんとも贅沢な時間だった。

メコン川を染める夕日。この風景が見たくて、毎日川沿いに足を運んだ。

 カフェでくつろぎ、お寺を巡っているうちに、そろそろ日没の時間。街中にあるプーシーの丘は夕日の観賞スポットだけれど、毎日、観光客で大混雑すると聞く。そこで、メコン川沿いでサンセットを眺めることに。

 川沿いにはリバービューのカフェやオープンエアのレストランがたくさんあって観光客もそれなりに多いけれど、場所は開けているし、川から吹く風がとても気持ちいい。山肌がオレンジ色に染まり、しだいに川面が燃えるような夕焼けに染まっていく様子は、ルアンパバンで見た最も美しい風景だった。

 日没後の楽しみはディナー。近くにあるローカルの店で食べるつもりが、歩きすぎてあまりにも疲れてしまい、しかたなく(?)ホテルの敷地内に立つ別棟のレストランに行ったところ大当たり。地元の食材を豊富に使った料理は、ルアンパバンの味覚をしっかりと味わわせてくれた。

左:メコン川で獲れた魚の蒸し焼き。バナナの葉に包まれた魚は臭みがまったくない。
右:ラオス産ビーフステーキは想像以上のおいしさ!

2018.05.01(火)
文・撮影=芹澤和美