自分の声は決してミュージカル向きではない

――そんななか、自身の転機となった作品を教えてください。

 やはり「テニミュ」だと思います。たくさんの方の目に触れて、名前を憶えていただいて、そこから「NARUTO」やミュージカル「刀剣乱舞」といった方向に派生していったと思うんです。場数を踏むにつれて、観に来てくれた方たちの反応が温かくなるところを肌で感じていったのも、Twitterのフォロワー数がガッと増えたのも、この作品ですから。

――加州清光役を演じているミュージカル「刀剣乱舞」は海外公演もされていますが、こちらも大きな転機となりましたよね。

 普通の舞台(ストレートプレイ)とミュージカルとふたつあるうち、俺はミュージカルをやらせてもらっているんですが、「人ならざる刀」を演じるというのはなかなか想像できないこと。スゴく大変で、苦労しましたし、そのうえ立ち回りも歌も頑張らなきゃいけない。でも、それだけ一気にスキルアップできる作品でもありました。

――正直「歌う」ということに関しては、いかがですか?

 これは今でも思っていることなんですが、自分の声は決してミュージカル向きではないなと。パーンと抜けるような、透き通る声じゃなくて、どちらかというとロックっぽい感じがするので。だから、ミュージカルのときは、そこを意識して、声を出すようにしています。

2018.01.12(金)
文=くれい響
撮影=橋本 篤