純粋で寂しい悪役を演じる最新作「ガキ☆ロック」

――最新出演作のAmazonオリジナルドラマ「ガキ☆ロック~浅草六区人情物語~」では、上遠野太洸さん演じる主人公・源の幼なじみで不動産屋社長・龍太役を演じています。第7話から登場するキーパーソン的役割ですが、主人公を喰ってやろうという気持ちは?

 主人公を喰ってやろうと気持ちは、どの作品でも僕のベースにあるんですが、それが決して正しいわけでもないと思うんですよ。主人公を立たせたり、主人公に立たせてもらったり、それが作品作りだと思いますので。ただ、龍太は源の幼なじみですが、ある野望から悪役になっていく役なので、自分のなかでは作品を観る方を騙してやろうと狙っていたんですよ。でも、予告で思いきり完全な悪役として登場しているんですよね(笑)。

――ただ、単なる悪役とは言い切れない龍太に対する演技プランは?

 タイトルも「ガキ☆ロック」ですし、金と力だけを追い求めていることで、とにかく子供っぽい部分を出せればいいかなって思いました。村山の子供っぽさとも違う純粋さ。その純粋さが違うところに行ってしまった。心はきれいで淀んでいないけれど、子供のときのトラウマもあって、ドス黒い沼に飛び込んでしまった。その姿がどこか寂しい奴に見えたらいいですし、最後には共感してもらえたら嬉しいですね。

2017.04.28(金)
文=くれい響
撮影=橋本 篤