美味しい機内食は胃袋のキャパを超える?
リラックスウェアに着替えたら、さっそくKRUGをいただく。シャンパンの中でも特に高価な高級シャンパンのひとつ。それを離陸前に「キンキンに冷やしておいてくださいね」とお願いしておいたので、ベストな温度で。
以前、楽しみにしていた高級シャンパンがぬるくてとても残念だったことがあったので、念を押しておいたのだ。冷えたシャンパンを片手にメニューに目を通すこのひとときの、なんて贅沢なこと。
まず、キャビアは外せない。でも、その他をどうするか。うずらのフォアグラ詰めが美味しそうだったので、洋食メニューに決めた。でも、和食に、秋ならではの松茸のお吸い物が……。ということで、洋食メニューにお吸い物を足していただくことに。更に、うずらのほかに秋田牛フィレ肉のグリルも気になった。なぜなら、トリュフ入りのマッシュポテトが添えられていたから。
迷ってしまったので、この際メインをふたついただくことに(笑)。これで前菜から、キャビア、フォアグラ、トリュフが揃った。こんなわがままを言えるのもファーストクラスならではだ。
うずらを食べ終わったところで、CAさんが、「次のメインまで少し時間を空けますか?」という心遣いをくださった。先は長いので、少しワインを楽しんでからお肉をいただいた。約12時間半のフライトだからこそ、ゆっくり食事も楽しめるというもの。
右:秋田牛フィレ肉のグリル 巨峰のコンポートにトリュフ入りのインカのめざめのマッシュとともに。秋田牛も美味しいのだけど、トリュフ入りのマッシュポテトが絶品だった!
デザートの後は、カフェインフリーの飲み物がほしかった。すぐに眠れるように。ハーブティの項目に「ANAオリジナルブレンドmitoco」という記載があった。ローズ、ジャスミン、ペパーミントのブレンドだ。ローズ好きな私は迷わずこのハーブティをいただくことに。
するとCAさんが、「このハーブティは、皇帝ナポレオンやダイアナ妃が好んで飲んでいたものをもとにブレンドしたものなんです」と教えてくださった。ジャスミンとミントの爽やかなお茶に、ほんのり甘いローズの香りが加わって、夜にぴったりのハーブティだった。
夜食としては、比内地鶏の玉子丼や、ANAオリジナルカレー、舞茸うどん、一風堂 ラーメン空の上のトンコツ「そらとん」に、サラダやチーズ、煮物、秋刀魚塩焼き(!)などなど、魅力的なメニューはたくさんあったけれど、お腹がいっぱいになってしまったので、朝食を楽しみにしばし眠ることに。ロングフライトだからこそ、ファーストクラスだからこその夢の中へ……。
2016.11.16(水)
文・撮影=たかせ藍沙