京都市内で一番長い商店街といわれる新大宮商店街にウィーン菓子のお店「マウジー」はあります。目印は、ウィーンを象徴する鮮やかな黄色のテントと、グリーンがあふれる外観。

左:トールペイントの看板がさりげなく置かれて。
右:お店の表にはグリーンがいっぱい。

 店内にはウィーンにまつわる小物が色々置かれており、壁は「テレジアン・イエロー」とも呼ばれる華やかな黄色。お菓子がずらりと並ぶショーケースの奥にある厨房では、月に1回ほどウィーン菓子の教室も開かれます。

入って左側の棚には焼き菓子やクッキーがずらり。生ケーキが並ぶケースの奥に広い厨房が。

 お菓子を作るのはオーナーでもある三好由美子さん。元々、お菓子作りが趣味で、オーストリア菓子やドイツ菓子に興味を持ち、「現地にいかなくてはと思い立ってドイツ語を習い、気がついたら飛行機に乗っていて、ウィーンにいたんです」と笑います。

 憧れだった有名店「ハイナー」と「オバラー」で修業し、イタリアでデザートを学んだりもした後、1994年に帰国。神戸や阪神間で、お菓子教室や予約販売を行なってきました。「ウィーンに似ている」と選んだ京都で自店をオープンしたのは2003年。

左:ケーキを作る三好由美子さん。
右:生ケーキが並ぶケース。

「お菓子は文化の一部。ウィーン菓子を知ってもらいたい」と三好さんは伝統のウィーン菓子をていねいに作り続けています。「材料はできるだけ日本のものを使います。レシピは自分なりに色々工夫していますが、お客様は日本の流行とは異なる独自の味だと言ってくださいます」

2016.06.26(日)
文・撮影=そおだよおこ