ザッハトルテのバースデーケーキもかわいい!

 ウィーン菓子の代表といえば「ザッハトルテ」。オーストリアの政治家メッテルニヒの料理人、フランツ・ザッハが1832年に考案したといわれています。

「ザッハトルテ」420円。

 チョコレート生地にアンズのジャムを塗って、表面をチョコレート入りのフォンダン(糖衣)でコーティング。“チョコレートケーキの王様”として世界各地で作られています。

 三好さんもオリジナルのレシピで作っているのだそう。泡立てた生クリームを添えて食べます。きめ細かでまろやかなしっとりした生地で、チョコレートの豊かな風味にうっとりします。上品で優雅な味わい。

 「これをアレンジしたバースデーケーキがとても好評なんですよ。子供さんも大好き」と三好さんはにっこり。

ザッハトルテをベースにした人気のバースデーケーキ。

 「カルディナルシュニッテン」は、メレンゲと卵黄の生地を交互に絞って焼いた軽い生地でコーヒー風味のクリームをサンド。ウィーンではポピュラーなお菓子。カーディナルとは、カトリック教会で教皇の最高顧問・枢機卿のこと。赤いジャムを使うのが伝統的な作り方で、カトリックの象徴である黄色と白、枢機卿の衣の赤を使っていることから、その名が付いたという説があります。

 三好さんは、カラメル味、コーヒー味、イチゴ味と、季節によってクリームで味わいを変えるのだそう。「実は、完成まで一番苦労したお菓子。バターや小麦粉は一切使っていません」。食べるとふんわり軽やかな食感で、クリームの風味が広がる優しい味わい。すうっと口の中で消えてしまうような口溶けで、ほんのりした甘さもいい感じ。

左:「カルディナルシュニッテン」400円。
右:「シュヴァルツヴェルダキルシュトルテ」420円。

 「シュヴァルツヴェルダキルシュトルテ」は、ドイツ南西部・シュヴァルツヴァルト地方の黒い森をイメージしたお菓子。特産品のサクランボとサクランボ酒・キルシュを使っています。三好さんはグリオットチェリーを使用。サクランボとお酒、チョコの風味が一体となった深い味わいです。

2016.06.26(日)
文・撮影=そおだよおこ