山口規子さんは、世界中を旅しながら、ジャンルを横断した素敵な写真を撮り続けるフォトグラファー。風景、人物、料理……、地球上のさまざまな場所でこれまで撮影してきた作品をサンプルとして使いながら、CREA WEB読者に旅写真のノウハウを分かりやすくお伝えします!

vol.7 ウィーン(オーストリア)

カフェ文化を色濃く残すウィーンで撮影を楽しむ

ウィーンで最も有名なホテル・ザッハ内にあるカフェ・ザッハ。メニューが新聞のようにテーブルの真ん中に置かれている。

 秋の虫たちが合唱を始めた今日この頃、読書とお茶を楽しんでいる人も多いのではないだろうか。お茶といえば、昔、「大阪の心斎橋を女性一人で通った時に『ネエちゃん、茶、しばきにいかへん?』と男性からナンパされなくなったら女は終わりよ」と先輩が話していたのを思い出す。そこで今回は喫茶店、つまりカフェ。

カフェ・シュヴァルツェンベルクのターキッシュコーヒーは銅製のポットで運ばれてくる。

 カフェ文化といえばヨーロッパである。ヨーロッパの都市では街を歩けばカフェにあたると言っていいくらい沢山カフェがある。そんなカフェは旅先で歩き疲れた脚を休めるのにちょうどよく、屋外テラスに座れば街ゆく人々を眺めながら、次なる目的地に想いを馳せることができる。そしてほとんどのカフェは長居しても店員に嫌な顔をされない。その街に長期滞在するなら毎日通って出会いを楽しむのもカフェの醍醐味といえるだろう。

左:カフェ・ツェントラルの砂糖はフォトジェニック!
右:そして店員さんはイケメン揃い。

 そこで今回は伝統的なカフェ文化を色濃く残すオーストリアのウィーンでカフェ撮影の楽しみ方をお教えしよう。旅先のカフェなんて撮っても面白くないと思っているあなた、このカフェの写真がどれだけ思い出深いものになるか、ぜひ試してほしい。

2015.10.25(日)
文・撮影=山口規子