ヨーロッパのカフェを撮影するコツ その1
「空気感を写すには光が大事」

デメルの店内は落ち着いた雰囲気。シャンデリアをポイントに撮影。

 まずカフェに入ったらどこに座るか自分で決めるのだが、この時のポイントは光。

 窓際の席がオススメだが、太陽を愛するヨーロッパ人で満席の場合が多い。でも落胆するなかれ、天井が高く窓も縦に長いので少々奥の席でも柔らかい光が届く。

左:光が白壁に窓枠の影を落としていた。構図を引いて空気感を重視した写真。カフェ・プリュッケルにて。
右:スポットライトのように光が当たる場所に置いて、背景とのコントラストを出した写真。カフェ・プリュッケルにて。

 光は雰囲気を写し出すのに最も重要な要素。光の方向を考えながら自分の座る位置を決めて早速注文。注文した品がくるまで周りを見渡しながらその場の空気を撮影しよう。

 もちろん肖像権の問題が多い昨今では人の顔には焦点を合わせず、インテリアや天井画、窓枠などをポイントに広角レンズで撮ってみる。暗いなあと感じたらISO感度をあげてホワイトバランス(以下WB)はオート、もしくは太陽光に設定し、少々黄色味がかっても雰囲気を第一に考えて選ぶとよいだろう。

壁にかかっていた絵画の男女と手前の男女を対照的に撮った写真。カフェ・ツェントラルにて。

2015.10.25(日)
文・撮影=山口規子