山口規子さんは、世界中を旅しながら、ジャンルを横断した素敵な写真を撮り続けるフォトグラファー。風景、人物、料理……、地球上のさまざまな場所でこれまで撮影してきた作品をサンプルとして使いながら、CREA WEB読者に旅写真のノウハウを分かりやすくお伝えします!

vol.6 ドイツ

欧州のミュージアムは撮影OKのところが多い

ドレスデン郊外から中心地を望む。エルベ川がゆっくりと流れ夕陽に染まっていく。

 街角ではショーウィンドウのマネキンたちがコートやマフラー、ブーツなどを身に付け、女性にとってはオシャレが楽しくなる季節、秋がやってきた! 秋といえば、食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋。しかし私にとっては眠りの秋。異常に眠くなり、たくさん食べて冬眠の準備をしている熊になった気分なのである。

 そんな身体に鞭打って、さあ、今回は芸術の秋にちなんで芸術の宝庫ヨーロッパへ。ヨーロッパ各国は、独自の文化を彩ったたくさんの素晴らしい作品を所蔵している。その中でも、1989年にベルリンの壁が崩壊し、1990年の東西統一から今年で25周年を迎えたドイツには、私の好きなドレスデンを中心に、数多く美術館や博物館がある。そこでは、巨匠たちの作品にうっとり。そう、この作品が自分の部屋にあったらなあなどと溜息が出てしまう。

ドレスデンのフラウエン教会から眺めるエルベ川。手前の建物はドレスデン芸術大学。

 ご存じの方も多いだろうが、ヨーロッパの美術館や博物館は三脚を立てたり、フラッシュを焚いたりしなければ撮影がOKのところが多い。なんという太っ腹! そこで、巨匠たちの作品を自分のカメラで簡単に撮影し、作品所有欲を満たすための美術館や博物館の撮り方をお教えしよう。

 ここで注意しなくてはいけないのが、私たちプロカメラマンが出版物などに掲載する場合はきちんと取材申請を出して撮影許可、写真掲載許可を取っていること。プライベート旅行で撮影した美術館や博物館の写真はあくまでも個人で楽しむための使用となるので、その点を忘れないでほしい。でもこの自己満足的な撮影が楽しいのである。では宝の扉を開けて入ってみよう~!

2015.09.27(日)
文・撮影=山口規子