やっとこさ、アクロポリス遺跡へ

6000人収容のイロド・アティコス音楽堂は161年に造られたもの。最近修復されて、コンサートやオペラなどが催されている。

 翌日は、午前中にホテルを出てアクロポリス遺跡に向かった。「今日こそはパルテノン神殿を拝まなくてはっ!」という強い意志のもとに(笑)。

 入り口でチケットを購入して中へ入ったところでひと安心。まずは丘を上って頂上へと向かった。途中、イロド・アティコス音楽堂などを眺めながら、どんどん上へ。頂上の入り口にあたるプロピレア門周辺では修復作業が続いていた。

左:プロピレア門の周囲には、修復のために足場が組まれていた。
右:ていねいに、地道な修復作業を続けている皆さん。
プロピレア門を抜けると、右手にパルテノン神殿、左手奥にエレクティオンが見えた。

 階段を上り、門を抜けると、パルテノン神殿が目の前に現れた! 2日越しでやっと辿り着くことできたのだ。15年の歳月を経て紀元前432年に完成した神殿で、かつては高さ12メートルのアテネの守護神アテナ像が鎮座していた。

パルテノン神殿。幅約31メートル、長さ約70メートルの神殿には、直径約2メートル、高さ約10メートルの柱が立ち並んでいる。

 1687年の戦乱で破壊されたが、修復作業が続けられている。その規模の大きさは圧巻で、緩やかにカーブしている柱がズラリと並ぶ姿から、当時の栄華に思いを馳せることができた。

左:パルテノン神殿の前でくつろぐネコを発見!
右:エレクティオン神殿の柱は6体の少女像になっている。ただし、ここにあるのはレプリカだ。

 その横には、紀元前408年に完成したというエレクティオン神殿があった。伝説の王エレクティウスの館と言われていて、6人の少女像を柱として使っている優美な建物だ。この少女像はレプリカで、オリジナルのうち、5体は新アクロポリス博物館に、1体はイギリスの大英博物館に収蔵されている。

逆側から見たエレクティオン神殿と、後方のパルテノン神殿。
展望台からの眺め。昨日の丘よりも遠くまで見渡すことができた。右下には、小さくゼウス神殿が見える。

 その先には展望台もあり、アテネ市内を一望することができた。世界屈指の観光地だけあって、訪れている人々も国際色豊かだ。同じ東洋系の男性に頼まれて、カメラのシャッターを切った。聞くと台湾からだという。さまざまな人種、国籍の人々が一堂に会していた。あれこれ歩き回って、写真を撮りまくって、アクロポリス遺跡を後にした。

 最後にもう一度、アクロポリス遺跡を訪れる際には、くれぐれも、事前に開門、閉門時間を確認しておくことをお勧めする。

2016.04.08(金)
文・撮影=たかせ藍沙