季節の野菜を使ったパンも楽しみ

「米100% マドレーヌ」1個150円。

 「玄米ミルクブレッド」は、発芽寸前の京都産無農薬の玄米をミルク状にして大分県産小麦ベースの生地に練り込んでいます。酵母は、自家製甘酒や玄米麹を使った酒種酵母。もっちりしていて、ほんのりした甘さ。和の惣菜に合う優しい味わいです。

「クロワッサン」1個170円。

 「クロワッサン」も天然酵母100%使用。しっとり、もっちり、今まで食べたクロワッサンとは大きく異なる食感。よつば発酵バターを練り込み、貴重な国産の金ゴマを間に挟んでおり、香ばしい風味がクセになります。

「クグロフ(リンゴとタカキビとクルミ)」800円。

 「クグロフ」は、毎月、内容がかわるのだそう。「これは、長野県産の旬のリンゴに、雑穀のタカキビとクルミを合わせてクリームを作り、しっとり仕上げました」。ネパールのチウリのハチミツで甘みをプラス。ケーキ屋さんのクグロフとは異なる、優しい自然な味わいです。

 「近くで無農薬栽培をしている農家さんから、いい野菜が手に入ります」と大東さん。そんな季節の野菜でランチメニューを作るだけでなく、里芋や花ジソを使った「フォカッチャ」や「九条ネギのクロワッサン」なども焼くのだとか。

 「フリッタータ」は、様々な野菜とおからを入れ、卵を使わずに仕上げた一品。チーズとカレーの風味で、おかずパンのよう。

「フリッタータ」250円。

 他にも、「くりショコラメロンパン」「りんごのピッコロ」「クラッカー」など、パンは色々替わりますが、使う素材はできるだけ身体に優しいものをとこだわっています。食材の一部は店内で販売も。

 「季節を感じてもらえるよう、月替わりで色々なパンを焼いています。噛み締める程に味わい深く、日ごとに味が変化するパンです。固くなったら、蒸しても美味しいですよ」と大東さん。

「店名はイタリア語で空という意味。空を眺めてほっと安心できるように、食べてほっとするパンを作り続けたい。食べること。身体を調えること。自分の環境を調えること。全てつながっていきますから」

 大東さんが作る、身体に優しい、飽きのこないパン。じっくり噛み締めて食べながら、身体のことや生きること、空や自然のことを考えてみる。日々を見つめ直すおやつタイムを。

「イル チエロ(IL cielo)」
所在地 京都市伏見区向島中島町30
電話番号 090-7493-9880
URL http://ilcielopane.com/
※ランチ(天然酵母パン付き)は、前日までの予約制。

宗田洋子(そおだ よおこ)
ライター。神戸生まれの神戸育ち。神戸を離れたことがない神戸っ子。ライター歴30年以上で、関西の雑誌の取材だけでなく全国誌でも関西取材を手がけ、老舗から新店まで回ったお店は数知れず。移り変わる街を見続けてきた。食いしん坊で飲んべえ。

Column

そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行

生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。

2016.02.28(日)
文・撮影=そおだよおこ